ここにいたこと

『ここにいたこと』: AKB48の初オリジナルアルバム

『ここにいたこと』は、AKB48が2011年6月8日にキングレコードからリリースした、記念すべき初のオリジナルアルバムです。キャッチコピーは「神曲、始めました」で、既にリリースされた3枚のベストアルバムとは異なり、完全な新作としての位置づけがあります。このアルバムは、初回限定盤、通常盤、劇場盤の3つのフォーマットで発売され、各バージョンによってジャケットや特典が異なるものの、CDの収録曲は共通です。

特に注目すべきは、劇場盤の価格設定で、これは1,980円という非常に手頃な価格で提供されており、ファンにとって魅力的な選択肢となっています。アルバムのジャケット撮影は、人気のMV監督である蜷川実花が手掛けており、視覚的にも楽しめる作品に仕上がっています。

アルバム内容

このアルバムには、AKB48のシングル曲が後半にまとめて収録されており、各チームごとのオリジナル楽曲や特別ユニットによる楽曲も数多く含まれています。初回限定盤と通常盤にはDVDがついており、前作『神曲たち』のシングル曲の振り付け映像が収められています。また、初回限定盤の特典として、蜷川実花による撮り下ろしの100ページからなる写真集が付属し、ファンにとって価値あるアイテムが含まれています。

アルバムのリリースは当初2011年4月6日を予定していましたが、東日本大震災の影響で6月8日に延期されました。その際、売上の一部は「誰かのために」プロジェクトとして義援金に寄付され、被災者支援に活用されました。アルバムタイトルの「ここにいたこと」は、秋元康がメンバーやファンに対して、「AKBにいたという思い出を持ち続けてほしい」との願いから命名されたものです。

チャート成績

アルバムは発売前日の2011年6月7日付オリコンデイリーアルバムチャートで、約32万1000枚の売上を記録しました。また、初回出荷枚数は110万枚を達成し、日本レコード協会からミリオン認定を受ける快挙を成し遂げています。6月20日付のオリコン週間アルバムチャートでは約60万2000枚を売り上げて初登場1位を獲得し、多くの注目を集めました。これは、女性グループのオリジナルアルバムとしては、モーニング娘。以来の好成績です。しかし、最終的には年間チャートで嵐のアルバムに抜かれ、2位に終わりました。

収録曲

本アルバムの収録曲には、AKB48に関連するさまざまな楽曲が含まれており、特定のテーマソングとして他のメディアにも起用されています。たとえば、「少女たちよ」は映画の主題歌として使用され、「Overtake」はテレビ番組のテーマソングとなりました。また、各チームに合わせたテーマソングがあり、ファンが自分のお気に入りメンバーと共に楽しむことができる内容になっています。

特に注目されるのは、「ここにいたこと」の同名曲で、AKB48、SKE48、SDN48、NMB48のメンバーが参加した豪華なコラボレーション作品です。これにより、AKB48に所属する全メンバーがこのアルバムに参加したことが記録されています。このように、多様な収録曲と特典が詰まった『ここにいたこと』は、AKB48のファンにとって特別な作品であると言えるでしょう。

特典とジャケット

各バージョンに用意されている特典もファンの間で話題となっており、初回限定盤にはプレミアムな写真集がつくのに対し、通常盤はアナザージャケットが封入されています。劇場盤もユニークな特典があり、これらはファンにとって特別なコレクションアイテムとなっています。特に蜷川実花が手掛けたジャケット写真は視覚的にも楽しめるため、ファンの心を捉える要素となっています。

このアルバムは、AKB48というグループの歴史の中で重要な一歩を刻んだ作品であり、その後の活動にも大きな影響を与えたことでしょう。

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