ここまでおいで

トムとジェリー：ここまでおいで - 愛くるしいタイクとスパイクの怒り

1949年10月1日に公開された『ここまでおいで』(Love That Pup)は、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ監督によるトムとジェリーシリーズの一作品です。1957年には『Tops with Pops』としてリメイクもされています。本作品では、愛らしいスパイクの息子、タイクが初登場することでも知られています。

物語のあらすじ

穏やかな昼下がり、番犬のスパイクと彼の愛息タイクは仲睦まじく昼寝をしていました。スパイクはタイクを溺愛しており、その愛情は目に入れても痛くないほどです。そこに、ジェリーを追いかけるトムが現れます。ジェリーを見つけようとしたトムは、うっかり昼寝中のタイクの尻尾を掴んでしまいます。

この行為に激怒したスパイクは、トムを容赦なく追い払います。「二度と私の息子に手を出したら、お前をバラバラにしてやる！」と、トムはスパイクの恐るべき怒りに震え上がりました。

トムの襲撃から逃れたジェリーは、今度はスパイク親子に近づくことで身を守ろうとします。トムはジェリーを捕まえようとしますが、スパイクに邪魔され、思うようにいきません。

ついにトムは、スパイクをおびき寄せるために肉を使い、物置に閉じ込めます。そして、ジェリーを捕まえてバケツの中に閉じ込めようとしますが、ジェリーは巧みに脱出し、なんとタイクとすり替えてしまいます。

物置から脱出したスパイクは、バケツの中にタイクがいることに気づき、わけも分からず逃げ惑うトムを徹底的に叩きのめします。

夜になり、トムは自身の毛皮をはぎ取られ、下着姿になってしまいます。毛皮を取り戻そうと、寝ているスパイク親子に忍び寄りますが、ジェリーも「DO NOT DISTURB（起こすな）」という札を掲げ、親子と一緒に眠っていました。

キャラクターたち

トム: ジェリーを追いかけるうちに、タイクの尻尾を掴んでしまい、スパイクの怒りを買います。スパイクを物置に閉じ込め、ジェリーをバケツに閉じ込めますが、タイクとのすり替えによってスパイクにボコボコにされ、毛皮を剥がされてしまいます。最後は樽を毛皮代わりに着て、スパイク親子と一緒に昼寝するジェリーを捕まえようと狙っていました。

ジェリー: トムから逃れるためにスパイク親子のそばに身を寄せ、自身はバケツに閉じ込められますが、タイクとすり替えることでトムを陥れます。トムがスパイクに懲らしめられるのを見て、スパイク親子と一緒に昼寝をします。

スパイク: タイクを溺愛しており、トムを容赦なく懲らしめます。トムの策略で物置に閉じ込められますが、脱出した後、バケツの中のタイクを見てトムをボコボコにし、最後はトムの毛皮を剥いで昼寝用のマットにしてしまいます。タイクを隠した真犯人がジェリーだと最後まで気づきませんでした。

タイク: 本作で初登場。父スパイクと昼寝をしますが、ジェリーの策略にはまり、バケツに閉じ込められてしまいます。

作品全体の印象

『ここまでおいで』は、トムとジェリーの定番の追いかけっこだけでなく、スパイク親子の愛情と、トムの悪巧みとジェリーの機転が織りなすユーモラスな展開が魅力の作品です。特に、スパイクの圧倒的な力と、タイクのかわいらしさが印象的です。また、本作では「トムとジェリー」のオープニングテーマが初めて使用され、エンドクレジットに「An MGM Tom and Jerry CARTOON」が表示されたことも特筆すべき点です。

本作品は、トムとジェリーシリーズの中でも人気が高いエピソードの一つであり、何度見ても笑える、魅力的な作品と言えるでしょう。

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