こころ (2003年のテレビドラマ)

連続テレビ小説『こころ』

『こころ』は2003年3月31日から9月27日までNHKで放送された、連続テレビ小説の第68作です。本作は東京都台東区浅草や新潟県の山古志村、六日町を中心に展開される物語で、主人公が実家のうなぎ屋の女将を目指す奮闘を描いています。下町特有の情緒が感じられるストーリーとともに、花火職人の父親の仕事や伝統行事も絡められながら進行します。新潟県が主要な舞台となったのは1991年の『君の名は』以来です。

企画・制作

本作のヒロインはオーディションによって選ばれ、応募者は1989人にのぼりました。また、東京制作の連続テレビ小説として、最終月曜日に開始した初の作品となります。その中で印象的なのは、第138回に、こころの父・沢朗が片貝町の片貝まつりで花火を打ち上げたことです。毎年行われるこの祭りは、物語のクライマックスとなる9月に開催されるため、ドラマの展開と密接に関連しています。さらに、放送期間中にはJR東日本が運行した臨時快速列車「こころ」も登場し、多くのファンに愛されました。

視聴率に関しては、初回が22.5%、最高視聴率が26.0%、期間平均が21.3%と、成功を収めました。これはビデオリサーチの調査に基づく数値であり、特に関東地区での高視聴率を示しています。

あらすじ

物語の中心となるのは、末永こころという女性です。彼女は浅草で8代続くうなぎ屋「きよ川」の若女将、美佐子の一人娘であり、花火職人の父・沢朗を持つ国際線の客室乗務員です。父は隅田川花火大会での失敗をきっかけに浅草を去り、新潟の山古志村で花火の制作を続けることになります。

こころは、地域医療を志す医師・朝倉優作と出会い結婚しますが、彼が山岳遭難の救助活動中に命を落としてしまいます。こころは優作の連れ子たちを育てつつ、実家のうなぎ屋の女将を目指すことを決意し、自身の職を辞することになります。その後、父の弟子である堀田匠に心惹かれつつも、家庭がどう成り立つのかに葛藤を抱えながら、再婚を望むようになります。

キャスト

本作では、以下の主要キャストが物語を彩ります。

• - 末永こころ（演 - 中越典子）：航空会社の客室乗務員から、うなぎ屋「きよ川」の若女将を目指す主人公。
• - 朝倉優作（演 - 仲村トオル）：新潟出身の医師で、こころの夫。「朝倉診療所」を開業するが、悲劇的な運命を迎えます。
• - 末永沢朗（演 - 寺尾聰）：こころの父で花火職人、過去の事故から逃げるように浅草を去ります。
• - 朝倉倖（演 - 黒川智花）：優作の娘で、こころと複雑な立場の関係を持つ。
• - 堀田匠（演 - 玉木宏）：沢朗の弟子で、こころに思いを寄せる人物。

音楽とスタッフ

作・音楽は青柳祐美子と吉俣良によるもので、挿入歌には熊木杏里の楽曲が用いられました。また、語りは岸恵子が担当し、アートディレクションには川内倫子の写真が使用されています。

このように、『こころ』は家族愛、伝統、地域社会の絆を織り交ぜた感動的な物語で、多くの視聴者に強い印象を残しました。また、放送後にも再放送や特集が行われ、継続的に親しまれています。

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