片貝まつり

片貝まつり：夜空を彩る奉納煙火と伝統行事

片貝まつりは、新潟県小千谷市片貝町で毎年9月の第2金曜日とその翌日に開催される秋祭りです。浅原神社の秋季例大祭として知られ、最大の特徴は奉納煙火です。特に、正四尺玉の打ち上げは全国的に有名で、その迫力と美しさは見る人々を魅了します。

概要

片貝まつりは、浅原神社への奉納煙火を中心とした祭りです。もともとは9月9・10日に固定で開催されていましたが、2024年からは9月の第2金曜日とその翌日に変更されました。日程には、9月9日に特に意味がないことから、人々の遊び心が込められているという説があります。また、9月10日は二百十日にあたり、初秋の雨が降りやすい時期であることも考慮されています。

雨天でも基本的に順延はなく、煙火の打ち上げは行われます。ただし、台風接近などで強風が吹く場合は順延されることがあります。もともと、各家庭で花火を作り、辻などで少人数で打ち上げていたのが始まりとされています。火災の危険を減らすため、浅原神社の裏手の畑で打ち上げるようになり、筒引きや玉送りといった行事が生まれました。

花火の特徴

片貝まつりは、日本で最初に「正三尺玉」や「正四尺玉」を打ち上げたことで知られています。特に正四尺玉はギネスブックにも掲載されており、打ち上げ高度約800m、開花直径約800mという巨大さを誇ります。また、日本で唯一の「真昼の正三尺玉」も打ち上げられます。

かつては隣接する長岡市との間で大玉製作・打上合戦が行われていましたが、「正四尺玉」の成功によって一段落しています。多くの花火大会が川原や海岸で行われるのに対し、片貝まつりでは丘の上から花火が打ち上げられるのも特徴です。

各種行事

奉納煙火

片貝まつりの中心となるのは、浅原神社への奉納煙火です。これは、家庭ごとの慶事や弔事、厄払いなどを記念して花火を奉納する形式で行われます。個人や家族だけでなく、地元の片貝中学校の卒業生で結成された同級会が、スターマインなどの大きな花火を打ち上げることもあります。打ち上げを行うグループは「御立台」と呼ばれる場所に立ち、「奉納木遣り」を歌って花火を見届けます。

筒引き

9日の朝から午後にかけて、「筒引き」という伝統行事が行われます。これは、その年に成人を迎えた若者たちが中心となり、花火の筒を町内から浅原神社まで引き上げる行事です。筒が町内を通る際には、若者たちが筒の上で祭りを盛り上げます。

玉送り

9日と10日には、「玉送り」という花火玉を打ち上げ場所まで運ぶ行事が行われます。各町内の若者たちが山車を引きながら町内を練り歩き、浅原神社を目指します。山車の前方では「道中木遣り」が歌われ、後方では「しゃぎり（囃子）」が演奏されます。

その他

前夜祭となる8日には、「巫女爺」の屋台や民謡流しが町内を巡ります。9日夜には、町内対抗の「しゃぎりコンクール」が行われます。10日昼には、浅原神社の境内にある土俵で選抜相撲大会が開催されます。

メディアへの登場

片貝まつりは、これまでにも多くのメディアに取り上げられてきました。2003年にはNHK連続テレビ小説『こころ』に登場し、2010年には映画『おにいちゃんのハナビ』の舞台となりました。2017年には、BSフジで特別番組が生中継されました。

まとめ

片貝まつりは、美しい花火と伝統的な行事が織りなす、魅力的な秋祭りです。地域住民の熱意と伝統が息づくこの祭りは、訪れる人々を感動と興奮で包み込みます。一度訪れたら忘れられない、日本の原風景がそこにはあります。

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