川内倫子

川内倫子

川内倫子（かわうち りんこ、1972年4月6日 - ）は、滋賀県出身の写真家です。彼女の作品は、何気ない日常の風景を切り取りながら、その中に宿る生と死の繊細さ、儚さを表現していることで知られています。特徴的なのは、その柔らかく、淡い色調。独特の優しい光に包まれた写真は、見る人の心に静かに響き、深く記憶に残ります。

経歴

1972年、滋賀県五個荘町（現在の東近江市）に生まれた川内倫子は、1993年に成安女子短期大学を卒業後、東京の写真スタジオで経験を積みます。1997年には、その才能が早くも開花し、第9回ひとつぼ展でグランプリを受賞。

2002年には、写真集『うたたね』『花火』で、写真界の登竜門として知られる第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。この時の同時受賞者は、同じく写真家の松江泰治でした。2005年には、パリのカルティエ財団美術館で個展を開催し、国際的な評価を確立します。

2008年7月には、静岡県のヴァンジ彫刻庭園美術館で個展を開催。2009年には、ニューヨーク国際写真センター（ICP）のインフィニティアワード新人賞を受賞し、同時受賞者には志賀理江子がいました。2013年には、個展『照度 あめつち 影を見る』で芸術選奨新人賞を受賞。同年、第29回東川賞国内作家賞も受賞しています。

2018年には、歌手の倉木麻衣が出演する京都市の市政CMの映像を担当するなど、その活動は多岐に渡ります。

主な著作

『うたたね』(リトル・モア）- 2001
『花火』（リトル・モア）- 2001
『blue』（プチグラパブリッシング、映画：『blue』）- 2003
『あの頃のこと　Every day as a child』(ソニーマガジンズ、映画：『誰も知らない』) - 2004
『AILA』（リトル・モア）- 2004
『Cui Cui』（フォイル）- 2005
『the eyes, the ears,』 (フォイル) - 2005
『りんこ日記』 (フォイル) - 2006
『りんこ日記2』 (フォイル) - 2006

外部リンク

PUBLIC-IMAGE.ORG インタビュー
川内倫子×大森克己×松本弦人の「写真のハナシ」-CINRA.NET／2010年2月9日掲載
GA info.：creator's file：川内倫子
オンラインギャラリー「IMAGRAPHY」-IMA ONLINE
川内倫子×西野壮平 Prix Pictetノミネート記念対談「身体と偶然性、二人が語る写真についてのエッセンス」 -IMA ONLINE
連載「川内 倫子 そんなふう」-MilK JAPON
川内倫子 - 美術手帖
* 川内倫子 (@rinkokawauchi) - Instagram

川内倫子の写真は、私たちの日常に潜む美しさや、生と死の儚さを改めて意識させてくれます。彼女の作品に触れることで、何気ない日々の中に、かけがえのない価値を見出すことができるでしょう。

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