こだわり人物伝

「こだわり人物伝」は、NHK教育テレビジョン（現Eテレ）とNHKワールド・プレミアムで2010年3月31日から2011年3月まで放送された教養番組です。前身番組である「私のこだわり人物伝」から数えると、長きにわたり親しまれてきました。教育テレビでは、副音声解説放送と字幕放送が付加され、より多くの視聴者へ配慮した放送が行われていました。

番組の概要

「こだわり人物伝」は、「知るを楽しむ」の火曜日枠で放送されていた「私のこだわり人物伝」（2005年度～2008年度）が前身です。2009年度には「こだわり人物伝」と改題され、「知る楽」の水曜日枠で放送されました。2010年度からは「知る楽」の各曜日が独立した番組となり、水曜日はシリーズタイトルを引き継ぎました。

番組では、毎月1人の著名人をテーマに、4回シリーズでその人物の生涯や業績を深く掘り下げていきます。語り手は週替わりで4人が担当することがあり、それぞれの視点から人物像を浮き彫りにします。番組の内容は、NHK出版からテキスト「知楽遊学シリーズ こだわり人物伝」（隔月刊）としても発行されていました。

放送時間

NHK教育
初回放送：水曜 22:25 - 22:50
再放送：翌週水曜 5:35 - 6:00
デジタル教育3：翌週水曜 15:25 - 15:50
NHKワールド・プレミアム
日曜 7:10 - 7:35（JST）

放送内容

過去に放送された人物と語り手は以下の通りです。

2010年4月度：「藤子・F・不二雄 ふしぎ大百科」（語り手：藤子不二雄Ⓐ、伊藤善章、藤本正子、岡田斗司夫）
2010年5月度：「安藤百福 遅咲きのラーメン王」（語り手：鳥越俊太郎）
2010年6月度：「赤塚不二夫 ただただ“愛”なのだ」（語り手：松尾スズキ）
2010年7月度：「女（わたし）が愛した作家 太宰治」（語り手：角田光代、辛酸なめ子、西加奈子、田口ランディ）※2009年10月度の再放送
2010年8月度：「笑顔の冒険家 植村直己」（語り手：野口健）
2010年9月度：「星野道夫 生命（いのち）へのまなざし」（語り手：今森光彦、湯川豊、星野直子、池澤夏樹）※2009年3月度の再放送
2010年10月度：「バーンスタイン 愛弟子が語る」（語り手：佐渡裕）
2010年11月度：「ショパン 魂の旋律」（語り手：平野啓一郎）
2010年12月度：「遠藤周作 祈りとユーモアの作家」（語り手：三浦朱門、加賀乙彦、林真理子、瀬戸内寂聴）
2011年1月度：「宮沢賢治 未来圏の旅人」（語り手：山折哲雄、中村桂子、藤原真理、ロジャー・パルバース）
2011年2月度：「升田幸三 伝説の棋士」（語り手：大崎善生）
2011年3月度：「湯川秀樹〜物理の荒野のドリーマー〜」（語り手：益川敏英）

各界で活躍した人物の知られざる一面や、その人物を語るにふさわしい人物をキャスティングすることで、より深みのある内容となっていました。

「こだわり人物伝」は、単なる伝記番組ではなく、人物を通して、時代や社会、文化を考察する教養番組として、多くの視聴者に感動と知的好奇心を与えました。

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