こども面白館

こども面白館：1970年代を彩った子供番組の記憶

1977年から1978年にかけて、NHK総合テレビで放送された『こども面白館』は、多くの子供たちの記憶に刻まれた人気番組でした。土曜日18時5分から40分間の放送時間は、週末の楽しみの一つとして、多くの家庭に親しまれていました。

番組の魅力は、何と言っても軽妙洒脱な司会進行と、バラエティに富んだコーナーの数々でした。司会を務めたのは、国民的スターであった坂本九さんと、当時人気女優だった林寛子さん。二人の抜群のコンビネーションが、番組全体を明るく楽しい雰囲気で包み込んでいました。

坂本九さんは、自身の持ち味である軽快な語り口を生かし、「立体講談」というユニークなコーナーを担当していました。まるで『新八犬伝』の語り部のような口調で、様々な物語を子供たちに語り聞かせました。その独特の語り口は、子供たちを物語の世界へと引き込み、大きな人気を博しました。

その他にも、『こども面白館』には様々なコーナーがありました。手品コーナーでは、ゼンジー北京さん、アダチ龍光さん、伊藤一葉さんといった一流マジシャンが、子供たちを驚かせるマジックを披露しました。これらのコーナーは、子供たちの好奇心を刺激し、創造性を育む上で大きな役割を果たしました。

番組をさらに盛り上げたのは、マスコットキャラクターであるドン・ゴリゴでした。愛嬌のあるゴリラの姿をしたドン・ゴリゴは、子供たちに大人気となり、番組の顔として親しまれていました。

出演者陣の個性が光る『こども面白館』は、単なる子供向け番組という枠を超え、家族みんなで楽しめるバラエティ番組として、多くの視聴者から支持を得ていました。当時子供だった人々にとって、『こども面白館』は、かけがえのない思い出として、今も心の中に大切に保存されているのではないでしょうか。

番組の放送終了後も、『こども面白館』は、NHKアーカイブスで一部のエピソードが視聴可能となっています。当時を知る人々はもちろん、初めて番組を知る人にとっても、貴重な資料として活用されています。

また、司会を務めた林寛子さんは、同じNHKの番組『600 こちら情報部』にもキャスターとして出演していました。彼女の多才ぶりは、この番組からも伺い知ることができます。

『こども面白館』は、単なる子供番組としてだけでなく、1970年代のテレビ文化の一端を担った重要な番組として、その歴史的価値も高く評価されています。番組が放送されていた時代を知る人々にとって、この番組は、昭和の懐かしい思い出とともに、子供時代の純粋な感動を呼び起こす、かけがえのない存在と言えるでしょう。

番組に関わった全ての人々、そして番組を愛した子供たちにとって、『こども面白館』は、いつまでも記憶に残る、特別な番組として輝き続けることでしょう。

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