このまちが好きさ

市民歌『このまちが好きさ』の概要

『このまちが好きさ』は、三重県津市が2009年に制定した正式な市民歌です。この歌の作詞・作曲は、グラフィックデザイナーの村田幸一が担当し、彼自身の作詞も一部加わっています。この市民歌は、地域の未来や愛着を感じられるような作品であり、市民のアイデンティティの一部として重要な役割を果たしています。

歴史的背景

津市は1889年に市としての制度を施行し、その後1964年に市制75周年を祝う形で初代の市民歌が制定されました。この際に作られたのは、米山正夫による「津市民歌」です。しかし、平成の大合併による市町村統合によって、津市と周辺の町村の歌が併合されることになり、これに伴い従来の「津市民歌」は廃止される運命を迎えました。このように、合併により生じた新たな市には、新しい市民歌が必要だという共通認識が生まれました。

制定のプロセス

2006年の新設合併後、約2年半の期間を経て、2008年には「津市民歌を考える懇話会」が設立されました。この会では、新たな市民歌の制作を目的とした議論が行われ、歌詞の公募が実施されました。公募に寄せられた歌詞の中から選ばれた作品が、懇話会によって補作されたもので、同時にグラフィックデザイナーの村田が作曲も行いました。結果として、2009年2月1日に新たな市民歌『このまちが好きさ』が正式に制定されました。

現在の使用状況

『このまちが好きさ』は、津市のさまざまな場面で活用されています。具体的には、防災無線や市立の教育機関でのチャイム、さらには市役所本庁舎や再開発ビルの時報、電話の保留音としても流されているのです。しかしながら、残念ながらその認知度は必ずしも高いとは言えません。市民の多くがこのメロディーを「謎の曲」と感じている一方で、津まつりで毎年演奏される伝統的な「津音頭」と頻繁に比較され、その浸透度が相対的に低いという現状があります。

まとめ

『このまちが好きさ』は、津市の地域文化を象徴する市民歌として、新しい市のアイデンティティを形成する役割を果たしています。歌のメロディーと歌詞には、地域への誇りや愛着が込められており、市民が共感するような要素が詰まっています。今後、この市民歌がより多くの市民に親しまれることを期待したいところです。

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