こまちダム

こまちダム：小野町の水と暮らしを支える多目的ダム

こまちダムは、福島県田村郡小野町を流れる夏井川水系の黒森川に建設された、高さ37メートルの重力式コンクリートダムです。洪水調節、不特定利水、上水道の供給を目的とした、福島県が管理する多目的ダムとして、地域の安全と生活を支える重要な役割を担っています。

ダムの概要

こまちダムは、福島県三春土木事務所こまちダム管理所によって管理されています。夏井川水系黒森川の治水、小野町への上水道供給、既得取水の安定供給、そして河川環境の保全を目的としています。レヤ工法を用いて建設された重力式コンクリートダムで、自由越流式の常用洪水吐が1門、非常用洪水吐が2門備えられています。天端は歩行者も通行可能で、ダム湖周辺の景色を楽しむことができます。

こまち湖

ダムによって形成された人造湖は「こまち湖」と名付けられました。湖畔にはビオトープや釣り桟橋が設けられ、自然に親しむことができる空間となっています。特に釣り愛好家にとっては魅力的なスポットですが、小野町の上水道水源でもあるため、水質汚濁防止の観点から餌釣りは禁止されており、ルアーやフライフィッシングのみが許可されています。

ダム名の由来

「こまち」という名前は、小野町に小野小町の生誕伝説があることに由来します。町内には、こまちトンネル、こまち荘、小町の湯など、小野小町にちなんだ名称を持つ施設が多数存在し、地域文化に深く根ざしていることがわかります。
ダム湖の名前も一般公募によって決定され、応募94点の中から選定委員会によって「こまち湖」と命名されました。地域住民の愛着が感じられるエピソードです。

付替工事

ダム建設に伴い、福島県道42号矢吹小野線の一部区間が水没することになったため、付け替え工事が行われました。これにより、交通の便が確保され、地域住民の生活に支障が出ないように配慮されています。

こまちダム賛歌とイメージキャラクター

こまちダムの魅力を発信するため、2003年には「こまちダム賛歌」が制作されました。福島県職員の男性が作詞作曲を手掛け、小野町の風景を連想させる歌詞と、親しみやすいメロディーが特徴です。小野町立小野新町小学校合唱部によって歌われ、CDも制作されました。現在でも福島県のホームページで公開されています。

2004年には、ダムのイメージキャラクター「こまっちィ」が誕生しました。小野町の「小」をモチーフにした小町娘のキャラクターで、こまちダム管理事務所の案内標識にも描かれています。

まとめ

こまちダムは、洪水調節、上水道供給、河川環境保全という重要な役割を担いながら、地域住民の憩いの場ともなっています。ダム湖での釣りや自然観察、ダム周辺の散策などを通して、こまちダムの恵みを感じてみてはいかがでしょうか。

関連情報
ダム便覧 - こまちダム
福島県 こまちダム管理事務所

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