ころがし涼太 激突!モンスターバス

『ころがし涼太 激突!モンスターバス』は、1988年7月30日に公開された、漫画を実写映画化した作品です。主演を務めたのは竹内力で、彼にとって映画初主演作となりました。

本作は日活の『ロッポニカ』シリーズに属しており、同シリーズはロマンポルノ制作から一般映画制作へと移行した日活の新たな試みとして注目を集めました。併映作品は『行き止まりの挽歌 ブレイクアウト』でした。

映画は、村田ひろゆきによる漫画『ころがし涼太』を原作としています。原作の荒唐無稽な世界観を踏襲しつつ、大型バスを用いた迫力満点のカースタントやハードなバイオレンス描写が加えられ、独特の雰囲気を醸し出しています。昭和時代の終わりを告げる時期に制作されたヤンキー映画という点も、本作の重要な特徴と言えるでしょう。

パンチパーマに身を包み、競馬予想紙を片手にバスを運転する主人公・高尾涼太（竹内力）は、元暴走族の頭で、その凄まじい運転技術は周囲の者を圧倒します。彼のバスの後部バンパーには「涼太」と大きく書かれたステッカーが貼られており、街の不良たちからは恐れられています。

涼太は、暴走族を引退したものの、その猛々しさは健在で、バスをまるで生き物のように操ります。一方、せんべい屋、チャリンコ屋、そしてチョーパン鉄次といった元暴走族の面々は、「涼太打倒」を目標に日々を過ごしています。

喧嘩っ早い涼太ですが、女性にはめっぽう弱く、謎めいた魅力を持つ麗子（秋本奈緒美）に恋心を抱きます。涼太を案じる元暴走族の女性・かおりやバス会社社長の娘・由香里の存在にもかかわらず、涼太は麗子に夢中になります。

そんな中、麗子を追うようにして謎の黒い装甲車、通称「モンスターバス」が登場します。そのバスを操る豹藤（菅田俊）は、涼太の前に立ちはだかる強力な敵となるのです。

涼太は、愛する麗子のために命を懸けてモンスターバスと対決しますが、相手は想像をはるかに超える強敵でした。

キャストには、竹内力、秋本奈緒美の他、駒井一隆、衣笠健二、加東修二、我王銀次、又野誠治、山本薫、網浜直子、藤岡重慶、鈴木ヒロミツ、小林稔侍、和気康弘、本城マモル、佐藤浩市、菅田俊など、個性豊かな俳優陣が名を連ねています。

監督は黒沢直輔、脚本は大川俊道、プロデューサーは成田尚哉（ニュー・センチュリー・プロデューサーズ）が務めました。撮影は緒方博、照明は矢部一男、録音は福島信雅、美術は丸山裕司、編集は奥原好幸です。助監督には大谷康之、冨樫森、塙幸成、原正弘が名を連ねています。選曲は山川繁、カースタントは三石千尋とマイクスタントマンチーム、技斗は高瀬将嗣が担当しました。音楽プロデューサーは天翔陽子、音楽はヤンキース、中山努、菊池琢己が担当しました。製作は日活です。

VHSも発売されており、今となっては貴重な資料となっています。派手なアクションと、昭和時代のヤンキー文化を色濃く反映した本作は、時代劇としても高く評価されています。

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