ごはんができたよ

アルバム『ごはんができたよ』の詳細



矢野顕子1980年10月1日にリリースした『ごはんができたよ』は、彼女の4枚目のスタジオアルバムであり、全体では6枚目の作品です。このアルバムは、移籍元である徳間ジャパンから初めてのリリースであり、坂本龍一との共同プロデュースが特に注目を集めています。これにより、矢野はイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)とのコラボレーション時代を強く反映した作品を生み出しました。興味深い点は、YMOの名義ではなく、あくまで個人参加という形が取られていることです。

サウンドは前作『ト・キ・メ・キ』を踏襲しながらも、アコースティック・ピアノや児童合唱を取り入れることで、YMOの音楽とは一線を画す独自のスタイルを見せています。特に、シンセサイザーの多用が音楽に深みを加え、聴く者を魅了します。これにより、アルバム全体が矢野顕子の音楽的探求心と新たな制作の一歩を示しています。

収録曲の紹介



1. ひとつだけ (HITOTSUDAKE)
矢野顕子の代表曲となったこの楽曲は、アグネス・チャンのアルバム『美しい日々』にも提供されており、歌詞が若干異なります。『ごはんができたよ』のB面にも収録されていますが、その後も多くのアーティストによってカバーされ続けています。

2. ぼんぼんぼん (LES PETIT BONBON)
この曲は「ひとつだけ」とのメドレーで演奏されることが多く、楽しさと親しみを感じさせる一曲です。

3. COLOURED WATER
同曲ではドラムスに林立夫が参加しており、特異なリズム感が生まれています。

4. 在広東少年 (ZAI KUNTONG SHONEN)
この曲はYMOのワールドツアーでも演奏され、特に海外での人気が高かったと坂本龍一が表現した一品です。

5. HIGH TIME
矢野の独特な解釈で歌われた英語詞の曲で、聴く者を新たな音楽の旅に誘います。

6. DOGS AWAITING
ユニークなサウンドデザインが特徴のこの曲では、犬の吠え声のサンプリングが使われています。

7. TONG POO
YMOの楽曲をカバーし、矢野自身が歌詞を新たに書き下ろしました。

8. 青い山脈 (AOI SANMYAKU)
藤山一郎の名曲を矢野のスタイルにアレンジしたカバー曲です。

9. げんこつやまのおにぎりさま
この曲にはおなじみのひばり児童合唱団が参加し、楽しい雰囲気を醸し出します。

10. ごきげんわにさん
坂本龍一とのピアノ連弾が際立つこの楽曲は、ライブでも親しまれる存在です。

11. また会おね (MATA AONE)
アルバムのリリースとともに行われたツアーのテーマ曲で、ファンにとっても印象深いものとなりました。

12. てはつたえる→てつだえる
大学者の詩にインスパイアされたこの曲は、商業CMにも起用されました。

13. ごはんができたよ (GOHAN GA DEKITAYO)
サードシングルとしてリリースされたこの曲は、普遍的なテーマをもつ作品で、多くの音楽ファンに愛されています。

14. YOU'RE THE ONE
この曲には全世界の子供たちへの献辞が添えられ、心温まるメッセージを持っています。

全体を通して、『ごはんができたよ』は矢野顕子の音楽的探求の成果が詰まった一枚であり、聴く者に新しい視点と感動を提供する作品です。

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