さよなら、人類

『さよなら、人類』（原題：En duva satt på en gren och funderade på tillvaron、英題：A Pigeon Sat on a Branch Reflecting on Existence）は、2014年に公開されたスウェーデンのコメディ・ドラマ映画です。監督と脚本は、スウェーデンを代表する映画監督であるロイ・アンダーソンが務めました。この作品は、アンダーソン監督の「リビング・トリロジー」の3作目にあたり、『散歩する惑星』（2000年）、『愛おしき隣人』（2007年）に続く作品として制作されました。

この映画は、第71回ヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、最高賞である金獅子賞を受賞しました。その芸術性の高さと、独特の映像表現は世界中で高く評価されています。また、第88回アカデミー賞の外国語映画賞にはスウェーデン代表作としてエントリーされましたが、ノミネートには至りませんでした。

『さよなら、人類』の最大の特徴は、全39シーンが固定カメラ、1シーン1カットで撮影されている点です。CGが多用される現代の映画制作において、本作ではロケーション撮影は一切行わず、巨大なスタジオにセットを組み、マットペイントを多用するという古典的な手法が用いられています。さらに、膨大な数のエキストラ（馬も含む）が登場し、4年の歳月をかけて丁寧に制作されました。これらの手法は、アンダーソン監督の独特な世界観を際立たせ、観る者を映画の世界へと引き込みます。

日本では、第27回東京国際映画祭の際に『実存を省みる枝の上の鳩』という邦題で上映されました。このタイトルは、原題を直訳したもので、映画の内容を暗示するものとなっています。

主な登場人物

ニルス・ヴェストブロム：サム役
ホルゲル・アンデション：ヨナタン役
ヴィクトル・ギレンベルイー：カール12世 (スウェーデン王)役



関連情報

第88回アカデミー賞外国語映画賞出品作一覧
アカデミー外国語映画賞スウェーデン代表作品の一覧



外部リンク

さよなら、人類 - allcinema
映画「さよなら、人類」 （ビターズ・エンド）
En duva satt på en gren och funderade på tillvaron - IMDb
A Pigeon Sat on a Branch Reflecting on Existence - Rotten Tomatoes
A Pigeon Sat on a Branch Reflecting on Existence - Metacritic

『さよなら、人類』は、その独特な映像美と、人間の存在や社会の不条理を深く考察する内容から、観る者に強い印象を与える作品です。ぜひ一度、この映画の世界に触れてみてください。

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