さんふらわあ ごーるど

さんふらわあ ごーるど：快適さと安全性を両立したフェリー

概要

2007年11月、神戸港（六甲アイランドフェリーターミナル）と大分港を結ぶ航路に就航した「さんふらわあ ごーるど」は、商船三井さんふらわあが運航する旅客フェリーです。三菱重工業下関造船所で建造され、ダイヤモンドフェリーの「フェリーゴールド」の後継船として就航しました。

安全性を重視した設計が特徴で、日本のフェリーとしては初めて二重船殻構造を採用。さらに、電子海図とレーダーを重ねたチャートレーダーシステムを搭載することで、航行の安全性を高めています。CO2排出量削減のため、2機1軸の推進システムを採用するなど、環境にも配慮した設計となっています。車両積載数は従来の40％増となり、5ヶ所の車両搬出口を設けることで、迅速な荷役作業を実現しています。船内デザインは、渡辺友之氏の手によるもので、「春」をテーマにしたコンセプチュアルストーリーに基づいて作られています。

当初はダイヤモンドフェリーが運航していましたが、関西汽船とダイヤモンドフェリーの統合に伴い、2009年11月1日からはフェリーさんふらわあが運航を引き継ぎました。この際に、船体のファンネルマークがダイヤモンドフェリーの頭文字「D」からオレンジ1色に変更されています。

船内設備

船室は全て洋室で、左舷が赤、中央部が緑、右舷が青のエリアカラーで構成されています。日本のフェリーで初めてペット同伴可能な個室「ウィズペットルーム」を導入するなど、乗客のニーズに合わせた設備が充実しています。2016年にはツーリストルームの一部を改装し「プライベートベッド」を設置、さらに2024年にはツーリスト客室へのUSB電源設置、浴場脱衣室やプロムナードなどのパブリックスペースのリニューアルを実施するなど、継続的な改善が行われています。個室とプライベートベッドを利用する乗客には、使い捨てのカードキーが発行されます。

船内には、レストラン（バイキング形式）、売店、自動販売機、展望風呂、シャワールーム、ゲームコーナー、キッズスペース、喫煙サロンなど、快適な船旅を過ごすための様々な設備が用意されています。開放的なプロムナードや展望デッキからは、美しい海景色を楽しむことができます。

事故・インシデント

2009年10月21日、大分港から神戸港へ向かう航行中に、油圧式可変ピッチ推進装置（プロペラ）の舵角が変化しなくなり、所定の速度で航行できなくなるという事故が発生しました。原因は設計上の欠陥によるもので、油圧式可変ピッチ推進装置のアウターオイルチューブおよびボスヘッド締付けボルトに亀裂が生じていたことが判明しました。同型船でも同様の損傷が確認され、当該部は形状変更された対策品と交換されました。

まとめ

「さんふらわあ ごーるど」は、安全性を重視した設計、充実した船内設備、快適な空間、そしてペット同伴可能な客室など、多くの魅力を持つフェリーです。神戸と大分を結ぶ航路において、多くの乗客に利用され、高い評価を得ています。今後も、安全と快適性の向上を目指し、更なる進化を遂げていくことでしょう。

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