さんま・一機のイッチョカミでやんす

さんま・一機のイッチョカミでやんす

『さんま・一機のイッチョカミでやんす』は、日本テレビ系列で1989年11月4日から1990年9月29日まで放送されたバラエティ番組である。この番組は、毎週土曜日の22:00から22:30までの枠で行われ、主に明石家さんまと小堺一機という二人の人気芸人が中心となって進行していた。なお、準レギュラーとしてラサール石井や松尾伴内、ジミー大西も出演し、賑やかな雰囲気を醸し出していた。番組は、前の番組である料理番組「味の素ごちそうさまワールド・地球おいしいぞ!!」のスポンサーである味の素と、新たに三楽酒造（現在のメルシャン）が協力し、放送が行われていた。

この番組が始まった背景には、フジテレビ系での並行番組『笑っていいとも!』の金曜日レギュラーとしてのキャリアがあった。当時、さんまや小堺は『いただきます』という番組の司会を務め、そこでフリートークを行っていたが、放送時間が限られていたため、持ち味を十分に発揮することができなかった。これが理由で、自由にトークを楽しめる収録番組が求められるようになり、当番組が誕生した。

番組の内容は、主にさんま・小堺・松尾・石井によるフリートークや、過去の日本テレビ系で放送されていた連続ドラマを取り入れたパロディコントが展開され、視聴者を楽しませた。また、ジミー大西が担当したニュースコーナーでは、時折漢字を間違って読み上げ、笑いを誘っていた。これにより、番組はバラエティという新たな方向性を持つこととなった。

当番組を通じて、エンディングテーマ「愛のよろこび」はクライズラー&カンパニーによって演奏され、彼らはこの番組をメジャーデビューの機会とした。興味深いことに、「イッチョカミ」は関西弁・泉州弁で、おせっかいや自己主張が強い人を指す言葉であり、このタイトルも番組の内容を象徴するものであった。

スペシャルコントの内容

番組は、特別編ではさらなるアプローチを見せる。小堺と松下由樹が出演したコントでは、TBSドラマ『想い出にかわるまで』をパロディ化し、様々なキャラクターが登場した。この時、小堺は石田純一の役を演じ、今井美樹役をさんまが担い、ジミーが財津和夫役という不思議なキャスティングが話題を呼んだ。しかし、コント後半でのジミーのユニークな演技が松下を爆笑させる展開は、視聴者にも強い印象を与えた。

一方で、ラサール石井が麻丘めぐみの前で黒水着に身を包み、AV男優のマグナム北斗に扮して「わたしの彼は左きき」を振り付け付きで歌うコントも大いに盛り上がった。

スタッフ

この番組を支えたスタッフは、構成を担当した大岩賞介や大倉利晴、演出家の吉川圭三、菅賢治、小川通仁などが名を連ねている。プロデューサーには小杉善信、チーフプロデューサーは金谷勲夫が務め、製作は日本テレビが行った。

『さんま・一機のイッチョカミでやんす』は、単なるバラエティ番組にとどまらず、出演者の個性やアイディアが生かされた、色とりどりの笑いと感動を届ける秀逸な番組であった。

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