ざんげの値打ちもない

「ざんげの値打ちもない」

「ざんげの値打ちもない」は、1970年10月5日に北原ミレイが東芝音楽工業からリリースしたデビューシングルです。

背景

デビュー当時の北原ミレイは、事務所の意向により、笑顔を見せず、発言を控え、うつむきながら歌うというイメージ戦略を徹底されました。しかし、本来おしゃべり好きだった北原にとって、偽りの自分を演じることは非常に辛く、体重が10キロも減ってしまったそうです。彼女は当時、「こんなことをするために歌手になったのではない」と感じていたと述懐しています。しかし、作詞を担当した阿久悠から「この曲はおまえにしか歌えない」と説得され、現在では「歌手 ″北原ミレイ″ を生んでくれた曲」と捉えています。

2008年8月5日にNHKで放送された『歌謡コンサート「阿久悠　歌よ時代を語れ」』では、「ざんげの値打ちもない」には当初5番までの歌詞が存在し、レコーディングも完了していたものの、4番の歌詞が先進的であるという理由でカットされ、発表されたのは省略版であったことが明かされました。番組では、北原本人が記憶を頼りに、カットされた4番の歌詞を再現して歌唱しました。この4番の歌詞は、刑務所を舞台にした物語の結末を暗示する内容となっています。

この「幻の4番」は、1971年の東映映画「ずべ公番長 ざんげの値打もない」の中で、北原自身によって歌唱されていますが、映画版では2番以降の歌詞が異なる全5番構成となっています。この映画版の音源は、2008年6月にSolid Recordsレーベルから発売されたサウンドトラック盤CDで聴くことができます。

さらに、北原ミレイによる従来の4番構成の歌詞に、本来の4番を加えた＜完全版＞の音源は、2009年3月にリリースされたCDアルバム『軌跡～ベネチアの雪』で初めて収録されました。この＜完全版＞は、2017年2月7日と2020年3月31日の「うたコン」（NHK総合、生放送）でも北原ミレイ本人によって歌われています。

収録曲

1. ざんげの値打ちもない [3:40]
作詞：阿久悠／作曲：村井邦彦／編曲：馬飼野俊一
2. その時花はアカシアだった [2:59]
作詞：橋本淳／作曲：大本恭敬／編曲：有明春樹

カバー

「ざんげの値打ちもない」は多くの演歌・歌謡曲歌手によってカバーされています。うたまっぷに登録されているカバーは、以下の通りです。

研ナオコ版（4番を省略）
クミコ・泉谷しげるデュエット版（4番を省略）
北原ミレイ歌唱の省略版
北原ミレイ歌唱の完全版
山崎ハコ版（完全版、4番を本来の位置に挿入）

その他の主なカバー

山崎ハコ - 『歌い継ぎたい歌がある ～阿久悠ベストカヴァー～』（2013年7月31日、ユニバーサル・ミュージック）に収録。
藤圭子 - 1971年7月5日サンケイホールライブ音源を『藤圭子リサイタル』（1971年10月5日、RCA）。CDでは『藤圭子 POPS COLLECTION』（1999年5月21日、BMGジャパン）。CD-BOX『藤圭子劇場』（2016年10月19日、ソニーミュージック）に収録。

脚注

注釈

出典

外部リンク

プロフィール - 北原ミレイ オフィシャルウェブサイト

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