しおんの王

『しおんの王』

概要

『しおんの王』は、天才少女棋士・安岡紫音が生き残りをかけて将棋界に挑む物語です。原作はかとりまさる（元女流棋士・林葉直子のペンネーム）、作画は安藤慈朗によるこの作品は、2004年から2008年まで『月刊アフタヌーン』で連載され、全8巻の単行本が刊行されました。また、2007年からはテレビアニメも放送され、将棋の対局を通じて紫音の成長や過去が描かれています。

あらすじ

物語は、幼い頃に両親を殺害された安岡紫音の悲劇から始まります。紫音はその事件がトラウマとなり、失声症に陥ります。両親の遺体には将棋の王将が置かれており、この不可解な状況が事件をさらに謎めいたものにしています。事件が起きた翌日、羽仁真が初タイトルを奪取するが、その日、紫音にとって重大な不幸も訪れます。

事件から8年後、紫音は養父の安岡信次に引き取られ、棋士としての道を歩み始めますが、両親を奪った犯人に執拗に付きまとわれるという苦悩を抱え続けます。将棋の世界で数々の強敵と対峙しながら、紫音は将棋の腕を磨いていきます。彼女の記憶が徐々に甦り、事件の真相に触れようとする中で、周囲のキャラクターとも複雑な関係が形成されていきます。

登場人物

• - 安岡紫音（やすおか しおん）: 本作の主人公で、失声症を患いながら才能を開花させていく女流棋士。家族の事件の影響を強く受け、その克服を目指す。
• - 安岡信次（やすおか しんじ）: 紫音の養父でプロ棋士。紫音を愛情深く育てるも、彼女を守ることへの過剰な心配も見せる。
• - 斉藤歩（さいとう あゆみ）: 紫音のライバルであり、新たな棋士としての道を模索する若き才能。実は男性で、女装して棋士として活動している。
• - 羽仁真（はに まこと）: 現在の名人であり、物語の中で紫音に特別な関心を寄せる棋士。
• - 二階堂沙織（にかいどう さおり）: 羽仁名人の妹弟子で、紫音と対戦する強力な女流棋士。

テレビアニメ

2007年に放送されたアニメは、全22話から成り、原作に基づきながらも新たな解釈を取り入れたエンディングが描かれました。特に、将棋の駒や勾玉のペンダントの扱いなど、原作とは異なる点が見受けられます。アニメの中で描かれる紫音たちの心理戦や対局の緊張感は、多くの視聴者に深い印象を与えました。

ゲーム

さらに、ゲームソフトもリリースされ、プレイヤーは紫音としてオリジナルストーリーを進めることができ、将棋のバトルを楽しむことができました。

まとめ

『しおんの王』は、将棋とその周辺の人間関係、紫音の成長、事件の真相を見つめ続けるサスペンスの要素が巧みに絡み合った作品です。将棋というテーマを通じて、人間の絆や苦悩を描いたこの作品は、多くの読者や視聴者に愛され続けています。

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