しもやけ

しもやけ（凍瘡）とは？

しもやけ、別名凍瘡は、寒さによって身体の末端部分の血行が悪くなり、炎症を起こす皮膚疾患です。手足の指、鼻先、耳たぶなどに多く見られ、痛みやかゆみ、腫れ、熱感などを伴います。特に気温が5℃前後で昼夜の寒暖差が激しい時期に発生しやすく、日本では10～11月、2～3月に患者数が増加します。童謡『たきび』にも歌われているように、冬の代表的な皮膚トラブルと言えるでしょう。

しもやけは、方言では「しもばれ」「しもくち」、日本海側では「ゆきやけ」などとも呼ばれます。正式名称である凍瘡という呼び方は、医学用語として用いられます。

しもやけの原因

しもやけは、主に以下の要因によって引き起こされます。

気温差と低温: 一日の気温差が大きく、特に5℃前後の気温が、しもやけの発生に大きく影響します。
血行不良: 末梢血管の収縮と拡張のバランスが崩れることで、血流が悪くなり、しもやけが起こりやすくなります。動脈硬化などの持病を持つ人は、しもやけになりやすく、症状が悪化しやすい傾向があります。
湿度: 手足が濡れた状態が続くと、気化熱によって皮膚表面の温度が下がり、しもやけの発症リスクが高まります。
締め付け: 靴や手袋などがきつすぎると、血行が悪くなり、しもやけになりやすくなります。特に、先のとがった靴やハイヒールは、足の指先を圧迫するため、注意が必要です。
体質や遺伝: しもやけになりやすい体質や遺伝的要因も関係していると考えられています。

しもやけの症状

しもやけの症状は、患部にジンジンとした痛みやかゆみ、腫れ、熱感などが現れます。患部が赤く腫れ上がり、硬くなることもあります。特に指先に発症した場合、患部が硬く膨れ上がるケースも見られます。患部を温めると、痛みやかゆみが強まる傾向があります。

しもやけの予防

しもやけを予防するためには、以下の点に注意することが重要です。

防寒: 冬の外出時には、手袋、帽子、マフラーなどを着用して、身体全体を温かく保つことが大切です。
保湿: 手足は乾燥しやすいため、保湿クリームなどを塗って乾燥を防ぎましょう。
衣服の工夫: 締め付けの強い衣服は避けて、血行を妨げないゆったりとした服装を心がけましょう。
靴選び: 足に合ったサイズの靴を履き、先が尖った靴やハイヒールは避けるようにしましょう。
濡れた状態の放置を避ける: 手足が濡れた場合は、すぐに拭いて乾燥させましょう。濡れた靴下や手袋は交換しましょう。

しもやけの治療

しもやけの治療法は、症状の軽重によって異なります。軽症の場合、以下の方法で改善することがあります。

温冷療法: 40℃程度のお湯と5℃程度の冷水を交互に患部に当てます。お湯につける時間を長くし、お湯で始め、お湯で終わるようにしましょう。
マッサージ: 患部を優しくマッサージすることで、血行を促進することができます。ただし、強すぎるマッサージは逆効果になるため、注意が必要です。
* ビタミンEの摂取: ビタミンEを多く含む食品を摂取したり、サプリメントを服用したりすることで、症状の改善が期待できます。

症状が改善しない場合や、重症の場合は、医療機関を受診し、医師の指示に従って治療を受けることが重要です。医師は、血管拡張薬などの薬を処方する場合があります。

しもやけと似た症状

しもやけと似た症状を示す病気として、レイノー病、凍瘡状狼瘡、全身性エリテマトーデスなどがあります。これらの病気は、しもやけとは異なる原因で発症するため、症状が続く場合は、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。

しもやけは適切なケアと予防で改善できますが、症状が長引いたり、重症化したりする場合は、医療機関への受診を検討しましょう。

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