じゃじゃ馬ならし (1967年の映画)

シェイクスピア喜劇の華麗なる映画化『じゃじゃ馬ならし』(1967)

1967年、アメリカとイタリアの合作によって映画化された『じゃじゃ馬ならし』は、ウィリアム・シェイクスピアの同名戯曲を原作とするロマンティックコメディです。監督は名匠フランコ・ゼフィレッリ、主演はハリウッドを代表するスター、エリザベス・テイラーとリチャード・バートンという豪華な顔ぶれが実現しました。 二人の実生活での関係性も話題となり、作品への注目を集めました。

本作は、気性の荒いことで知られるカタリーナと、彼女を「調教」しようとするペトルーキオーの出会いを中心に物語が展開します。シェイクスピアの原作を忠実に再現しつつも、ゼフィレッリ監督は独自の解釈を加え、鮮やかな色彩と華麗な衣装、そして時代を超越した普遍的なテーマを描き出しています。 特に、イタリアの美しい風景を背景にしたシーンは、作品に独特のロマンティックな雰囲気を与えています。

キャスト陣の演技も素晴らしいの一言です。エリザベス・テイラーは、奔放で自由奔放なカタリーナを見事に演じきり、彼女の魅力と強さを際立たせています。一方、リチャード・バートンは、策略家でありながら、どこかカタリーナに惹かれるペトルーキオーを、繊細な演技で表現しています。 脇を固める俳優陣も、それぞれのキャラクターを個性的かつ魅力的に演じ、物語に深みを与えています。日本語吹替版では、駒塚由衣さん（カタリーナ）、磯部勉さん（ペトルーキオー）など、豪華声優陣が作品の世界観を盛り上げています。

ストーリーは、まずカタリーナの気性が激しく、結婚相手が見つからないことから始まります。一方、彼女の妹ビアンカは多くの求婚者から注目を集めています。 ペトルーキオーは、カタリーナと結婚することで、ビアンカの求婚者から莫大な持参金を得ようという策略を企てます。 しかし、カタリーナの予想を超える強さと気性、そしてペトルーキオーの巧妙な策略によって、二人は次第に惹かれ合っていくという展開です。

『じゃじゃ馬ならし』は、単なる恋愛物語ではありません。男女間の力関係や、社会における女性の地位、そして人間の複雑な心理といった普遍的なテーマが織り込まれています。 現代社会においても、依然として共感を呼ぶテーマであり、観客に様々な解釈を促す作品となっています。

映画の完成度は高く、第40回アカデミー賞では美術賞と衣裳デザイン賞にノミネートされました。 受賞には至らなかったものの、その高い芸術性は世界的に認められています。 豪華な衣装やセットデザイン、そして美しい映像は、観る者の心を掴んで離しません。

シェイクスピアの戯曲を忠実に再現しつつ、現代的な解釈を加えた『じゃじゃ馬ならし』。 豪華キャスト、美しい映像、そして時代を超越した普遍的なテーマが魅力の作品です。 シェイクスピア作品に触れてみたい方、ロマンティックコメディが好きな方、そして映画史に残る名作を観たい方、すべての方に強くおすすめしたい作品です。

もう一度検索