すいせん (フェリー・2代)

すいせんの概要

すいせんは、新日本海フェリー及び東京九州フェリーによって運航されている高速フェリーです。その名前は、福井県の県花であるスイセンに由来しています。ここでは、2012年に就航した2代目のすいせんに焦点を当てます。

船の構造について

すいせんは、先代の「すずらん」と「すいせん」を引き継ぐ形で建造されました。三菱重工業長崎造船所で製造されたこのフェリーは、香焼工場で建設された初のフェリーであり、2隻同時の進水式も行われた特別な船となります。2012年6月14日に新日本海フェリーに引き渡された後、6月20日には苫小牧東港からの出発便として初めて就航しました。

性能と効率

この船は2003年に建造された「はまなす」と「アカシア」と同型ですが、各種性能が改善されています。特に注目すべきはその環境性能で、二酸化炭素排出量は25%削減され、窒素酸化物の排出も40%減少しています。それに加え、トラックの積載量は30%増加し、乗客の快適性を考慮して2等船室は全て寝台化され、露天風呂も設置されています。これにより、乗船する人々により良い環境が提供されるようになりました。また、工期の短縮を目的に、船体ブロックのサイズを大きくし、必要なブロック数も劇的に削減されています。

航路の多様性

2022年には東京九州フェリーのドック代船として、新門司～横須賀航路に就航し、その後2023年には「はまゆう」と「それいゆ」との交代で運航しています。このような柔軟な運航が、利用者にとっての利便性を高めています。

船内設備

すいせんの船内は「祭りやオープンカフェに居合わせたかのような心弾む空間」をコンセプトにデザインされています。2020年のドック入りでは、SOxスクラバーが搭載され、ファンネルの大型化や「Shin Nihonkai」から「Cruising Resort」へのロゴ変更も行われました。

2等船室と快適さ

2等船室は、主に2段寝台に改装され、その中に和室「ツーリストA・J」も設けられ、「ステートルーム・ウィズペット」が新たに追加されています。これにより、どのような利用者にも快適に過ごせるよう大幅に改良されています。

食事と娯楽施設

船内には、レストラン「バッカス」やカフェ「アリアドネ」、さらに大浴場や露天風呂、サウナなどの入浴設備も完備されています。また、プロムナードやフォワードサロン「ポセイドン」などのオープンスペース、ゲームコーナーやコンファレンスルームなどの娯楽施設も取り揃え、乗客の多様なニーズに応えています。

事故の歴史

2015年11月15日、すいせんは漁船と衝突するという事故を起こしました。この事故は、船が航行中に見張りが不十分であったことが原因とされています。事故発生後、船の塗料の付着により衝突が明らかになりました。このような事例から、安全運航の重要性が再認識されています。

まとめ

すいせんは、環境性能と快適な乗船体験の両立を追求しており、地域社会や利用者にとって重要な存在となっています。これからもフェリー業界に新しい風を吹き込み続けることでしょう。

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