すごろくアドベンチャードルアーガの塔

本作『すごろくアドベンチャードルアーガの塔』は、2000年にかつてのナムコ、現在のバンダイナムコゲームスによって開発・稼働されたメダルゲーム機です。特にキッズ層をターゲットとした「キッズメダル」として展開されました。このゲームは、1980年代にアーケードゲームとして一世を風靡した名作アクションRPG、『ドルアーガの塔』の世界観やキャラクターを基に再構築されています。

ゲームシステム

タイトルにも冠されている通り、本作のゲームシステムはボードゲームの代表格である「すごろく」の要素と、冒険を進めて物語を体験する「アドベンチャーゲーム」の魅力が見事に融合しています。

プレイヤーはまずメダルを投入し、ゲームを開始します。基本的な進行は、サイコロを振ることで行われます。プレイヤーは、サイコロの出た目の数だけマップ上のマス目を移動します。このマップは『ドルアーガの塔』の各階層を模しており、上に進むほど冒険の難易度や緊張感が高まっていきます。

プレイヤーが止まったマス目には、様々なイベントが仕掛けられています。例えば、敵との遭遇によるバトルが発生するマス、冒険に役立つアイテムが手に入るマス、時には思わぬ罠が待ち受けているマスなど、多彩なイベントによってゲームの展開が常に変化し、単なるすごろくではないアドベンチャーとしての面白さが加わっています。これらのイベントを乗り越えながら、プレイヤーは塔の深層、そして最終目標へと駒を進めていきます。

ゲームの最終的な目標は、原作ゲームと同様に、塔の最上階、第59階に鎮座する邪悪な魔神、ドルアーガを打倒することです。困難な道のりを経てドルアーガとの最終決戦に勝利すると、ゲームクリアとなります。クリア時には、冒険の成果として合計99枚のメダルを獲得することができます。これは、キッズ向けメダルゲームとしては比較的大きな報酬であり、クリアを目指すモチベーションを高める要素となっています。

登場キャラクター

本作では、原作『ドルアーガの塔』の主人公である勇者「ギル」ことプリンス・ギルガメスと、ヒロインの巫女「カイ」が主要なプレイヤーキャラクターとして登場します。

加えて、当時のナムコが展開していた他のファンタジー世界からのゲストキャラクターも参戦しており、作品の垣根を超えた豪華な共演が実現しています。特に、ファンタジーアクションRPG『ワルキューレの冒険時の鍵伝説』からは、主人公の「ワルキューレ」をはじめ、「サンドラ」や「コアクマン」といった個性的なキャラクターたちが冒険に加わります。これらのキャラクターは、それぞれが持つ特徴や個性でゲームプレイに彩りを添えています。

このゲームのユニークな点として、プレイヤーキャラクターの選択とプレイ人数があります。メダルを1枚投入するごとに、操作できるプレイヤーキャラクターを1人追加することが可能です。これにより、最大5人までのプレイヤーが同時にゲームに参加することができます。家族や友達と一緒に、それぞれお気に入りのキャラクターを選んで冒険に挑むことができ、協力したり時にはメダル獲得枚数を競ったりと、メダルゲームらしい賑やかなプレイが楽しめます。

関連作品からの要素

本作には、『ドルアーガの塔』や『ワルキューレの冒険』といった原作の世界観やキャラクターに加え、他のナムコ作品からの影響も見られます。

例えば、同時期に展開されていたアクションゲーム『ドラゴンバスター』の要素が取り入れられています。主人公であるギルが敵との戦闘で繰り出す技の中には、『ドラゴンバスター』の主人公スレイヤーの代表的な攻撃技である「兜割り」や「垂直斬り」といった名称のものが存在します。これは、過去作へのオマージュであり、オールドファンには嬉しいサービスと言えるでしょう。

ゲームの雰囲気を盛り上げるBGMや効果音についても、オリジナルの『ドルアーガの塔』はもちろんのこと、その後の物語を描いた続編である『イシターの復活』からも多数の楽曲やサウンドが引用されています。これにより、原作シリーズの持つ独特の神秘的で冒険心を掻き立てる世界観が、メダルゲームという形でも忠実に再現されており、プレイヤーを塔の世界へと引き込みます。

このように、『すごろくアドベンチャードルアーガの塔』は、原作の魅力を活かしつつ、すごろく形式の分かりやすいゲームシステムと多人数プレイ対応、そしてナムコスターズとも言える他作品キャラクターのゲスト出演によって、幅広い層が楽しめるメダルゲームとして開発されました。

もう一度検索