すばる (雑誌)

文芸雑誌『すばる』の概要

『すばる』は、集英社が1970年に創刊した文芸雑誌で、国内の文芸界では重要な役割を果たしています。当初は季刊として発行されていましたが、1976年9月の第25号からは隔月刊に、さらに1979年5月号からは月刊誌へと移行しました。この際に判型もB5からA5に変更され、より多くの読者にアクセスしやすくなりました。

この雑誌は、集英社の純文学部門を代表する存在として位置づけられています。同社が発行する『小説すばる』が大衆小説を扱うのに対し、『すばる』はより深い文学的作品を取り上げています。毎年11月号には『すばる文学賞』の発表があり、若手作家や新しい才能が脚光を浴びる場となっています。

五大文芸誌との関係

『すばる』は、他の著名な文芸雑誌と共に「五大文芸誌」と称されることがあります。この五大文芸誌には『新潮』(新潮社)、『文學界』(文藝春秋)、『群像』(講談社)、『文藝』(河出書房新社)が含まれており、これらに掲載された作品は芥川賞などの文学賞の候補となることが多いです。特に『すばる』に掲載された作品は、芥川賞を受賞することも珍しくはなく、これまでに三木卓の「鶸」、金原ひとみの「蛇にピアス」、田中慎弥の「共喰い」、古川真人の「背高泡立草」など、4作品が独自に受賞しています。

2023年の特別な号

2023年6月号は、同誌月刊化以来初めての重版となりました。初版が5千部、さらに増刷が1万部行われたという高い関心を表しています。この号では、中国の人気作品『魔道祖師』の作者である墨香銅臭と、作家の綿矢りさの対談が特集され、多くの読者の興味を引きました。

歴代編集長

『すばる』の編集長は歴代で多くの著名人が担当してきました。最初の編集長は安引宏で、1970年から1973年まで在任。その後、大波加弘が1973年から1976年まで、次いで水城顕（石和鷹）が1976年から1985年まで編集長を務めました。この時代には多くの重要な作品が生まれ、雑誌の発展に寄与しました。

以降、山崎隆芳（1985 - 1986年）、治田明彦（1986 - 1989年）、加藤康男（1989 - 1991年）、狩野伸洋（1991 - 1994年）、そして再び加藤康男（1994 - 1995年）など、若手作家を支援しながら雑誌をリードしてきた名編集者たちの名前が連なります。最近では羽喰涼子が2016年から2019年まで編集長を務め、現在は鯉沼広行がその役割を果たしています。

関連項目

• - すばる文学賞
• - すばる文学カフェ

このように、『すばる』は日本の文学界において不可欠な存在であり、多くの作家や作品を次世代へとつなげる重要な役割を果たしています。

もう一度検索