すべてはこの夜に

すべてはこの夜に

『すべてはこの夜に』は、佐野元春が作詞・作曲した楽曲で、最初に沢田研二に提供され、1984年に彼のアルバム『NON POLICY』に収録されてリリースされました。また、1986年には吉川晃司がカバーを行い、シングルとして発表されることにより、さらに広く知られるようになりました。

楽曲の背景

この楽曲には特別な背景があります。佐野元春は、沢田研二の楽曲をすべて聴き込んだ上で、この曲を彼のために書きました。沢田は、佐野がまだ無名の頃に作品を発表する機会を与えてくれた恩人のような存在でした。吉川晃司にとっても、沢田は同じ事務所の先輩として大きな影響を与える存在でした。そして、実際にこの曲が発表される過程では、佐野に対して、吉川に歌わせたいというリクエストが事務所からあったものの、佐野は沢田が先に歌った後であれば問題ないと返答し、その意向を尊重しました。

このようにして、1984年6月5日にリリースされた沢田のアルバム『NON POLICY』に『すべてはこの夜に』が収録されました。また、当初は吉川が1枚目のアルバムに収録する予定だった楽曲は他の曲に差し替えられることになりました。

吉川晃司のカバー

吉川晃司のシングル版は1986年9月30日にリリースされ、非常に人気を博しました。このリリースに際して、ファンクラブの会員には、特典として特製のステッカーが配布される企画も実施されました。カップリング曲として収録された「無口なmoonlight」は、限定的に再発売された際を除いて、長らく入手が困難でしたが、2005年にリリースされた20周年記念ベストアルバムに収录されることでようやく多くのファンが聴くことが可能となりました。

リリース履歴

吉川のシングル『すべてはこの夜に』は、リリース後、多くのアルバムに収録され続けています。例えば、1988年の『beat goes on』やライブバージョンが収録された『ZERO』、1992年の『TOO MUCH LOVE』など、さまざまな形でファンに親しまれています。

この楽曲には他にも、1983年には香港の歌手、葉德嫻により広東語版がアルバムに収録されるなど、国を越えて愛されています。

まとめ

『すべてはこの夜に』は、限りない音楽の魅力を持ち続け、多くのアーティストによって歌い継がれています。その背後には、作曲者や歌い手たちの思いや歴史が息づいています。佐野元春、沢田研二、そして吉川晃司、いずれのアーティストもこの曲を通じて音楽シーンに強い印象を与え続けています。

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