TOO MUCH LOVE

『TOO MUCH LOVE』

吉川晃司のベスト・アルバム『TOO MUCH LOVE』は、彼の音楽キャリアの中で特に心に残るラブソングのみを厳選して収録した作品です。このアルバムは、1992年3月11日に東芝EMIのイーストワールドレーベルからリリースされました。

このアルバムは、前作のベスト・アルバム『FAVORITE SOUNDS ...1988』以来約3年ぶり、また7枚目のアルバム『LUNATIC LION』からは10か月ぶりのリリースとなります。音楽ファンやリスナーにとっては、1984年にデビューしてから1992年までの吉川晃司の愛の歌を一堂に楽しむことができる貴重なコレクションです。

制作背景

『TOO MUCH LOVE』の制作にあたって、吉川はファンからの強い要望を受けてこのアルバムを企画しました。特にSMSレコードが消滅したことにより、過去の作品が廃盤になり入手困難になっていたため、ファンにとっては欲しい楽曲が手にできない状況でした。吉川は 「買いたくても買えない」という思いに応え、スタッフと共に選曲を行いました。そして、新しいファンに対しても、以前の活動を知る手助けができればとの思いから、ラブソングをテーマにしたアルバムとして形にしました。

吉川はこのアルバムが自身の音楽的メイン・ストリームを代表するものとして提示されても構わないという姿勢を示しつつ、新曲「せつなさを殺せない」を収録することの重要性も強調しました。彼はこの曲に関して、レコード会社の意向もあったと冗談めかして語り、また、愛を大事にしたいという思いがラブソングだけの選曲につながったと述べました。

収録内容

本作には、以下の楽曲が収められています。1984年から1992年までにリリースされたシングル及びアルバムから厳選されたラブソングが多く収録されており、選曲には以下の楽曲が含まれます。

• - 「ラ・ヴィアンローズ」(1984年)
• - 「Rainy Lane」(1985年)
• - 「RAIN-DANCEがきこえる」(1985年)
• - 「キャンドルの瞳」(1986年)
• - 「すべてはこの夜に」(1986年)
• - 「MARILYNE」(1987年)
• - 「終わらないSun Set」(1987年)
• - 「せつなさを殺せない」(1992年)

タイトルにもある『TOO MUCH LOVE』は、ラブソングのみならずビートが印象的な楽曲も多く揃い、多様な音楽体験を提供してくれます。特に「せつなさを殺せない」は、テレビ朝日系の深夜番組『君といつまでも』のオープニングテーマとしても使用され、先行シングルとしても注目を集めました。

商業的成功

リリース後、本作はオリコンアルバムチャートで最高1位を記録し、約25万枚の売上を誇りました。その結果、日本レコード協会からゴールド認定を受けるという成功を収めました。音楽情報サイト『CDジャーナル』は、本作がラブソング集でありながら、バラードだけでなく多様なビートをも楽しめることを評価し、楽曲の内容を楽しむことができると高く評価しています。

このように『TOO MUCH LOVE』は、吉川晃司の魅力を存分に感じられるだけでなく、ラブソングの美しさや多様性を示した重要な作品へと仕上がっています。ファンにとっては心温まる一枚となり、新旧問わず多くのリスナーに愛され続けています。

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