そよ風の誘惑

オリビア・ニュートン＝ジョン「そよ風の誘惑」：時代を超えて愛される名曲

「そよ風の誘惑」（原題: Have You Never Been Mellow）は、オリビア・ニュートン＝ジョンの代表的な楽曲の一つです。1975年に発表され、同名のアルバムのタイトル曲として世界中で大ヒットしました。

リリースと成功

1975年3月にシングルとしてリリースされたこの曲は、瞬く間に全米の音楽チャートを席巻しました。Billboard Hot 100では、前作に続き2作連続となる首位を獲得し、Hot Adult Contemporary Tracksでも1位に輝きました。さらに、Hot Country Singlesチャートでも3位にランクインし、ニュートン＝ジョンがジャンルを超えたクロスオーバーなアーティストであることを証明しました。

この曲の成功により、ニュートン＝ジョンはグラミー賞の最優秀女性カントリー・ヴォーカル・パフォーマンス賞にノミネートされました。また、アメリカ合衆国では4作連続でミリオンセラーを達成し、ゴールドディスクに認定されました。

「そよ風の誘惑」は、カナダでもチャートの首位を獲得し、オーストラリアでは最高10位、日本では最高26位まで上昇しました。しかし、他の地域では大きなヒットには至らず、イギリスではチャートインすら果たせませんでした。

楽曲の特徴

歌詞には現在完了形が多用されており、過ぎ去った愛おしい時間への郷愁が感じられます。穏やかで心地よいメロディーは、まさに「そよ風」のように聴く人の心を優しく包み込みます。

日本では、カスタマーセンターなどで電話の保留音として使用されることが多く、そのインストゥルメンタル・アレンジは多くの人に親しまれています。また、2015年にはJR西日本「おとなび」のCMソングとして起用され、再び注目を集めました。

多彩なカバーバージョン

「そよ風の誘惑」は、数多くのアーティストによってカバーされています。

アイザック・ヘイズとディオンヌ・ワーウィックのライブ・アルバム（1977年）
ブロードウェイ・ミュージカル『Xanadu』（2007年）
ビデオゲーム『Dance Dance Revolution』（The Olivia Projectによるリミックス）
オランダのバンド、Party Animals（1996年のヒット曲「Have You Ever Been Mellow」でサンプリング）
パンク・バンド、The Feederz（1984年）
パンク・バンド、Nip Drivers
ジェイムズ・レイン（2004年、パンク調のアレンジ）
ネットスカイ（2011年、リキッド・ドラムンベース）
ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミー・ギミーズ（2011年、オーストラリアの楽曲のカバー集）
ニコル・リユ（1975年、フランス語カバー「Ma maison au bord de l'eau」）
田中理恵（2001年、英語カバー）
BIGMAMA（2009年）

椎名恵は、1986年に自作の日本語詞によるカバー「愛は眠らない」を発表しました。この曲は、テレビドラマ『花嫁衣裳は誰が着る』の主題歌として使用されました。

「そよ風の誘惑」は、時代やジャンルを超えて、多くの人々に愛され続けています。オリビア・ニュートン＝ジョンの歌声と、この曲の持つ普遍的な魅力は、これからも色褪せることなく、聴く人の心に寄り添い続けるでしょう。

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