たかまつやよい

たかまつやよい: 漫画家の軌跡と創作の背景

たかまつやよいは、日本の漫画業界で特有の経歴を持つ作者です。彼女はデビュー当初、男性筆者「たかまつ」と女性筆者「やよい」という二名の共著ペンネームで活動していましたが、2000年代前半にそれぞれが独立し、以降は「やよい」としての個人活動に移行します。また、彼女は「ねこやよい」という名前でも知られています。

やよいは、デビュー後しばらくして八丈島に移住し、ここで主に『流されて八丈島』という作品を通じて自身の生活や思索を描きました。この作品はあにメモとしての役割も担いつつ、後にガイドブックとしても読まれ、八丈島の魅力を広める一助を果たしました。また、彼女はブログを通じて自身の日常を紹介していましたが、2014年ごろに閉鎖。その後はnoteやTwitterを使って自らの活動を発信するようになりました。

『流されて八丈島』の連載終了後、八丈島での活動に不都合が生じたため、やよいは種子島への移住を決意します。そして、その移住に伴い、普段から整備を依頼していた「かのけん」と結婚しました。かのけんは軽トラックの整備士で、やよいの創作活動のパートナーでもあります。

やよいは静岡県出身で、早稲田大学を卒業後、元々はOLとして働きながら漫画家としての活動を両立させていました。身体的な理由からというADHDや腱鞘炎を公にしており、それが彼女の創作にも影響していると考えられます。2007年にはオタク文化に触れつつ、同人活動にも取り組むようになります。08年からは八丈島のオンライン環境でSOHOとして漫画制作を始め、東京に住む「たかまつ」とはFAXで原稿をやり取りしながら合同制作を行っていました。

コンビ時代において、たかまつやよいはそれぞれ、ネームや下書きを「やよい」、ストーリー原案やペン入れ、仕上げを「たかまつ」が担当していましたが、たかまつは家庭の事情で漫画業界から引退。そこからはやよいが一人で全ての工程を手がけることとなりました。

連載活動は続き、この時期にもさまざまな雑誌で読者の目に触れる機会が多かったです。やよいの作品はストーリー性とデフォルメされたキャラクター描写で人気を博し、特に「流されて八丈島」シリーズはその後に膨大な読者を獲得することとなります。連載が進むにつれて、やよいの作品は次第に観光ガイドとして注目されるようになり、読者の意表を突く魅力を提供しました。

2020年には「流されて八丈島」が完結を迎えましたが、それに続く作品も視野に入れつつ、やよいはその後の創作活動に向け再スタートを切ろうとしています。また、地域貢献として、種子島の教育行事にも招かれ、イラスト制作の依頼を受けるなど、様々な形で活動の幅を広げています。

やよいは顔出しをせず、代わりに自らを猫耳付きのイラストで表現しています。このスタンスは多くのファンに支持されており、彼女の個性として定着しています。現在も種子島で創作活動を続け、新たな物語を紡ぎ出すことに挑戦しているたかまつやよいの動向から、今後の作品も目が離せません。

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