たかみ型掃海艇

たかみ型掃海艇

たかみ型掃海艇（英: Takami-class minesweeper）は、海上自衛隊が運用する中型掃海艇の艦級です。この艦級は、海自の掃海艇として初めて機雷の掃討に対する対応力を有しており、合計で19隻が建造されました。

来歴

朝鮮戦争での対機雷戦の経験は、沈底式感応機雷という新たな脅威を多くの国に知らしめました。特に感応機雷の発火装置の技術向上や、目標追尾機雷の出現により、従来の曳航式後方掃海における触雷リスクは増大し、掃海作業の不確実性が高まりました。そのため、機雷を一つ一つ確実に無力化するための掃討手法が注目されるようになりました。

1950年代初頭の時点では、アメリカ製のAN/UQS-1などが初期の機雷探知機として実用化されていましたが、これらのソナーは機雷らしい目標を検出することはできても、実際にそれが機雷かどうかを識別するには至りませんでした。イギリスのプレッシー社が開発したASDIC 193型という二周波数ソナーが1960年代に実用化され、日本の海上自衛隊もそれに続く形で機雷掃討の能力を向上させました。

日本では、1次から3次の防衛力整備計画において掃海作戦能力の整備が進められ、昭和42年度から新型掃海艇の整備が開始され、若干の変更を持たせた設計が求められました。

設計

たかみ型の設計は、機雷探知機の新しい装備が求められたことに起因しており、関連設備の容積や重量が増加しました。4名の水中処分員やその作業用インフレータブルボートが収容可能なスペースも考慮され、従来のかさど型（30MSC）に比べて基準排水量は50トン増加しました。特に、ソナー開口部を設けるために船首部分がU字型に設計され、全体的に工作が複雑になったと言われています。使用される木材には、ベイマツやタモなどがあり、構造部材は強度を持たせるために変更されました。

主機関は720馬力のディーゼルエンジンに強化され、非磁性化率も88-89パーセントと高い水準を保っています。防振設計により雑音低減が図られており、現在の掃海作戦に適した設計がなされています。冷暖房設備の改良もあり、居住性が高まっています。

装備

センサー

たかみ型では機雷掃討のために、新型の機雷探知機が必要とされ、昭和42年度艇にはASDIC 193型が搭載されました。国産機としてはZQS-2が開発され、逐次こちらに切り替えられました。また、対水上捜索レーダーも改良されています。

機雷掃討

掃海艇の機雷処分は水中処分員に依存しており、近代的な機雷処理具は搭載されていません。歴史的な背景から、掃海の際には極めて危険な手法が用いられており、これは現代においても改善を要する課題となっています。

掃海具については従来の30MSCの仕様が踏襲され、油圧式のクレーンが導入されています。係維機雷には53式普通掃海具が搭載され、機雷を切断する手法が取られています。また、音響機雷に対しては当初アメリカ製の装備が用いられ、その後国産の掃海具に切り替えられています。

このように、たかみ型掃海艇はその設計段階から多くの技術革新を反映し、現在の海上自衛隊の掃海戦能力の重要な一翼を担っている艦級であると言えます。

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