たこ八郎

たこ八郎 - 日本のボクサーからコメディアンへ

たこ八郎（本名：斉藤清作）は、1940年11月23日に宮城県仙台市で生まれました。彼は8人兄弟の次男で、幼少期に友達と泥投げをしている最中、泥が左目に入ったことで視力をほとんど失いました。この事故の影響で、彼は少年時代に医療を受けられず、涙ながらに過ごしたことを回想しています。

ボクサーとしてのキャリア

高校卒業後、たこは上京し様々な職に就きましたが、最終的に笹崎ボクシングジムに入門しました。彼は左目の障害を隠し、プロテストに合格。1960年にはプロボクサーとしてデビューしました。そして1962年、彼は第13代日本フライ級チャンピオンの座を手にしました。たこは「河童の清作」という愛称を持ち、彼のスタイルは挑発的かつ独特であり、相手にダメージを与えつつも自分は耐え続けるというものでした。この戦法は、後に漫画『あしたのジョー』の主人公に影響を与えたとも言われます。

彼のボクシングキャリアは34勝（11KO）、8敗、1分という戦績で、パンチドランカーの症状が出たため王座防衛戦を最後に引退しました。

コメディアン及び俳優として

ボクシングを引退した翌日、たこは同郷のコメディアン由利徹の弟子になりました。彼は「たこ八郎」という芸名を授かり、劇場やキャバレーでのパフォーマンスを開始しました。たこの芸風は、中央部の前髪を伸ばした独特のスタイルや酩酊状態を模した表情が特徴的でした。「たっこでーす」という決め言葉も、彼を有名にした要因の一つです。

コメディアンとしての活動の傍ら、たこは映画やテレビにも出演し、特に1977年の『幸福の黄色いハンカチ』での影響力は大きく、彼の名が広く知られるようになりました。また、テレビドラマ『ムー一族』での怪演も多くの視聴者に愛されました。

突然の死

1985年7月24日、たこは神奈川県の海水浴場で仲間と飲酒した後、一人で海に入った際に急死しました。彼の死因は心臓麻痺とされ、44歳という若さで生涯を閉じました。彼の訃報は、レギュラーで出演していた『笑っていいとも!』の中でタモリによって伝えられ、多くのファンが悲しみました。

人物像とエピソード

たこ八郎はそのユニークなキャラクターで多くの人々に愛されました。酒場での喧嘩や、自身が考案した髪型には「一本筋を通す」という意味が込められています。彼が逝去した後も、彼の人柄や芸風は多くの人々の心に残り続け、特に芸人仲間や友人からの追悼の言葉が相次ぎました。

追悼と顕彰

現在、東京都台東区にはたこ八郎を模した「たこ地蔵」が建立されており、彼の人生を偲ぶ場所となっています。彼の影響力や存在は、今もなお多くの人に愛され続けているのです。

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