ダタラ

ダタラ (Da'Tara)：アメリカン・ダービーの番狂わせと、その生涯

ダタラは、アメリカ合衆国で誕生した競走馬です。2006年、1歳時には17万5000ドルという高値で競売にかけられました。この高額落札は、将来への期待の表れだったと言えるでしょう。

競走馬としてのキャリアは、2007年9月のベルモントパーク競馬場でのデビュー戦から始まりました。初戦こそ2着という結果でしたが、その後は勝ち星から遠ざかり、2歳シーズンを終える頃には未勝利馬のままとなりました。

転機が訪れたのは3歳時、2008年です。1月の未勝利戦で初勝利を挙げると、続くフロリダダービーに挑みます。しかし、このレースではビッグブラウンに敗れ9着という結果に終わりました。ビッグブラウンは、後にアメリカ三冠に挑むことになる強豪馬でした。

その後、いくつかのレースを経験した後、ダタラは運命のレース、ベルモントステークスに挑みます。このレースには、アメリカ三冠達成を目指すビッグブラウンも出場していました。ビッグブラウンは圧倒的な人気を集めていましたが、ダタラは単勝38.5倍という低人気に甘んじていました。これは、それまでのダタラの戦績が芳しくなかったこと、そしてビッグブラウンの強さが衆目に知られていたためです。

しかし、レースは予想を覆す展開となりました。アラン・ガルシア騎手とのコンビでスタートダッシュを決めたダタラは、そのまま逃げ切り勝ち。2着のデニスオブコークに5馬身1/4差をつける圧勝劇を演じ、ビッグブラウンの三冠達成を阻止しました。この勝利は、アラン・ガルシア騎手にとってベルモントステークス初制覇、ニック・ジトー厩舎にとっても4年ぶりの勝利となりました。興味深いことに、2004年にニック・ジトー厩舎が勝利した際も、スマーティージョーンズの三冠阻止という結果でした。ダタラの勝利は、まるで歴史の再現を見ているようでした。

ベルモントステークス制覇という金字塔を打ち立てたダタラでしたが、その後は思うような結果を残すことができませんでした。2008年の10月にはジェロームハンデキャップで6着、11月にはクレーミング競走で3着という結果に終わりました。

4歳時となる2009年は、さらに苦しいシーズンとなりました。クレーミング競走で3戦連続2着に敗れ、アルバートザグレートステークスでは最下位、ウッドワードステークスでは競走中止という結果に終わりました。この年、ダタラは1勝も挙げることができず、現役を引退することとなりました。

競走生活を終えたダタラは、種牡馬入りしました。輝かしい勝利と、ビッグブラウンの三冠阻止というドラマチックな物語を残した競走馬としての生涯に幕を閉じました。その血統は、未来へと受け継がれていくことでしょう。

競走成績概要

2007年（2歳）：2戦0勝
2008年（3歳）：10戦2勝（1着：ベルモントステークス (GI)）
* 2009年（4歳）：7戦0勝

ダタラの競走成績は、JBISサーチやRacing Postといった情報サイトで確認できます。これらのサイトには、より詳細な競走成績や、血統情報などが掲載されています。

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