たのしい一年生

『たのしい一年生』とは

『たのしい一年生』は、講談社が発行していた学年別の総合雑誌です。1956年から1963年まで刊行され、小学校1年生を対象とした学習や娯楽を提供していました。本雑誌は、戦前から続く絵本シリーズを前身としており、長年にわたり子供たちに親しまれてきました。本記事では、『たのしい一年生』の歴史、内容、掲載作品、そして関連する雑誌について詳しく解説します。

歴史

『たのしい一年生』のルーツは、1936年に講談社が創刊した「講談社の繪本」シリーズに遡ります。このシリーズは、当初は絵本として展開されていましたが、1939年に新学期向けの書籍『タノシイ一年生』が発行されたことが始まりでした。戦後、1950年には「講談社の絵本」シリーズとして『たのしい一年生』が復刊され、1956年9月には月刊誌として『たのしい一年生』が創刊されました。

しかし、1963年3月をもって、すべての学年誌が休刊となりました。これは、小学生の総数がピークを過ぎ、「児童向け雑誌の乱立時代」が終わったことが一因とされています。

概要

『たのしい一年生』は、小学校1年生向けの総合雑誌として、学習内容から娯楽要素まで幅広く提供していました。創刊時には、梅根悟、海後宗臣、木下一雄といった著名な教育学者を監修者に迎え、教育的な側面にも力を入れていました。雑誌には、小説や童話、漫画、科学記事など、子供たちの興味を引く様々なコンテンツが掲載されていました。

『たのしい一年生』は、最盛期には20万部を発行し、当時の子供たちに大きな影響を与えました。また、姉妹誌として『たのしい二年生』『たのしい三年生』『たのしい四年生』『たのしい五年生』『たのしい六年生』も刊行され、学年別に合わせた内容を提供していました。

主な掲載作品

『たのしい一年生』には、数多くの人気作品が掲載されました。以下はその一部です。

小説・読物
『けんちゃんとぽち』
『ちゅうたくんのぼうけん』
『お山のがっこう』
『まあちゃんのおうち』
『こりすのちょろすけ』
『たろうくんとはなこさん』
漫画
『わかめちゃんとかつおくん』
『フクちゃん』
『たあぼうくん』
『ゆめの子ぴーたー』
『らいおんおうじ』

これらの作品は、子供たちの想像力や学習意欲を刺激し、豊かな心を育むのに貢献しました。

関連雑誌

『たのしい一年生』の休刊後も、講談社は学年誌の発行を続けました。しかし、1963年3月をもって、すべての学年誌が休刊となりました。

たのしい二年生 (1957年 - 1963年)
たのしい三年生 (1957年 - 1963年)
たのしい四年生 (1958年 - 1963年)
たのしい五年生 (1959年 - 1963年)
たのしい六年生 (1960年 - 1963年)

これらの雑誌も、『たのしい一年生』と同様に、各学年に合わせた学習内容や娯楽を提供し、子供たちの成長をサポートしていました。

まとめ

『たのしい一年生』は、戦前から続く歴史を持つ、子供向けの総合雑誌でした。月刊誌として創刊されてから約7年間、子供たちに学習と娯楽を提供し、その成長を支えました。休刊後も、その影響力は大きく、多くの人々の記憶に残る雑誌として語り継がれています。

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