たんせい3号

たんせい3号について

たんせい3号（たんせい3ごう）は、東京大学宇宙航空研究所が開発した技術試験用の人工衛星で、その開発・製造は日本電気によって行われました。この衛星は、全段が固体ロケットで構成されるM-3Hロケットの性能を試験するために設計されました。また、冷却剤による姿勢制御実験や、沿磁力線を利用した姿勢制御実験も行うことが主な目的となっています。興味深いことに、この衛星の設計は後の科学衛星「きょっこう」との間に共通点があります。

打ち上げと運用

たんせい3号は、1977年2月19日の18時15分（JST）に鹿児島宇宙空間観測所からM-3Hロケットの1号機によって打ち上げられました。衛星は近地点高度791km、遠地点高度3,813km、軌道傾斜角65.8°の楕円軌道に投入されました。ミッションの予定期間は、電池の寿命に基づき約2週間とされました。

しかし、軌道投入時にはトラブルが発生しました。キックモーターと結合した状態で衛星が予期せぬ「コーニング」を始めたのです。このトラブルは、キックモーターの噴射によって自然に収束し、問題には至りませんでしたが、後に原因がヒートパイプ内の液体によるものではないかと推測されました。このため、次期衛星「きょっこう」ではヒートパイプが搭載されないように設計が変更されることとなりました。

実験結果とその影響

ミッションの前半には、冷却剤を利用した姿勢制御に関する実験が行われる予定でしたが、地上からの妨害電波の影響で誤作動が発生し、この実験は途中で中止される事態となりました。この経験を生かし、その後の衛星において誤作動を防ぐための対策が講じられることとなります。

冷却剤による実験が中止された後、衛星は沿磁力線姿勢制御実験に移行し、こちらでは想定されていた通りの成果を上げることに成功しました。この姿勢制御技術の確立は、今後の宇宙ミッションにおいて重要な役割を果たすことになります。

関連項目

たんせい3号に関連する衛星には、しばしばその後継機となるたんせいシリーズが挙げられます。たんせい、たんせい2号、たんせい4号、さらに後のミッションであるさきがけなどがその例です。これらの衛星は、たんせい3号が達成した成果を基盤に、更なる技術発展を目指して開発が進められました。

外部リンク

たんせいに関する情報は、ウェイバックマシンやJAXA宇宙情報センター、ISASの公式ページを通じて得ることができます。これらを参考にしながら、たんせい3号の実績や影響をより深く理解することができるでしょう。

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