たんせい4号

たんせい4号（たんせい4ごう）について

たんせい4号は、東京大学の宇宙航空研究所が打ち上げた技術試験用の人工衛星で、開発は日本電気が担当しました。この衛星は、全段固体ロケットM-3Sロケットの性能試験や、後続の科学衛星に必要な様々な技術の検証を目的としており、開発名はMS-T4です。

発射と軌道

1980年2月17日18:40（JST）、たんせい4号は鹿児島宇宙空間観測所からM-3Sロケットの1号機によって打ち上げられました。この衛星は、近地点高度517km、遠地点高度672km、軌道傾斜角は38.7°の略円軌道に配置されました。約三年後の1983年5月13日には、大気圏に突入し、運用を終了しました。

技術試験項目

たんせい4号には、いくつかの重要な技術試験項目が設定されていました。主な試験内容としては、以下のようなものがあります：

• - 太陽電池パドルの展開：衛星が太陽光を効率的に受け取るためのパドルが正常に展開されるかを確認しました。
• - 磁気姿勢制御の自動化：衛星の姿勢を自動的に安定させる技術の実証が行われました。
• - ホイールによる姿勢制御：ホイールを用いて方向を調整する技術の試験です。
• - レーザー反射器による追尾：レーザーを使用した位置追尾機能の確認が行われました。
• - レーダートランスポンダによる追尾：レーダーを用いた位置測定技術も試験されました。
• - MPDアークジェットによるスピンアップ：推進技術の一環として、スピンの増加が試みられました。
• - 磁気バブルデータレコーダの試験：データを記録するための装置に関する試験も実施されました。
• - ブラッグ結晶分光器の試験：科学観測のための装置が正常に機能するかどうかを確認しました。

特に、磁気姿勢制御による太陽の自動追尾と、ブラッグ結晶分光器は、後の衛星「ひのとり」や「てんま」及びその後輩衛星においても使われる技術となっています。

後の影響

たんせい4号で実施された技術試験は、後続の宇宙ミッションにおいて非常に重要な役割を果たしました。これにより、日本の宇宙開発における衛星技術の進展が促され、多くの新技術が実用化されていくことになりました。

まとめ

たんせい4号は、単なる人工衛星ではなく、日本の宇宙開発の重要なステップを象徴する存在です。その試験項目は、未来の科学衛星の開発にとって欠かせない基盤となる技術を提供しました。また、関連するプロジェクトや衛星にとっても大きな影響を与えた存在です。

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