だったん人の踊り

『だったん人の踊り』とは

『だったん人の踊り』、または『ポロヴェツ人の踊り』は、ロシアの作曲家アレクサンドル・ボロディンが作曲したオペラ『イーゴリ公』の第2幕に登場する楽曲です。ボロディンの最も有名な作品の一つであり、クラシック音楽の中でも特に人気が高いことで知られています。この曲はしばしばオーケストラのコンサートで演奏され、オペラとは独立した楽曲としても親しまれています。

日本語では、『ダッタン人の踊り』、『韃靼人の踊り』、『ポロヴェッツ人の踊り』など、複数の表記が見られます。

オペラ『イーゴリ公』における位置づけ

『だったん人の踊り』は、オペラ『イーゴリ公』の第2幕で、ポロヴェツ軍の野営地を舞台に展開されます。第2幕の冒頭では、ポロヴェツ人の娘たちが合唱と共に踊り、「韃靼人の娘の踊り」が披露されます。その後、イーゴリ公を懐柔しようとするコンチャーク・ハーンが、奴隷たちに余興の踊りを命じ、第17曲「韃靼人の踊り」が第2幕を締めくくります。

曲の構成と特徴

この曲は、ロシア国民楽派が考える「東方」のイメージを代表するものであり、東方の女性と騎馬民族の男性、奴隷の悲哀と遊牧民の開放感といった対比が音楽的に巧みに表現されています。

第8曲「韃靼人の娘の踊り」：軽快で愛らしい旋律が特徴です。演奏時間は約2分半です。
第17曲「韃靼人の踊り」：より規模が大きく、情熱的な展開が特徴です。演奏時間は約11分で、以下のような構成となっています。
序奏：アンダンティーノ、4/4拍子、イ長調
娘たちの踊り：アンダンティーノ、4/4拍子、イ長調
男たちの踊り：アレグロ・ヴィーヴォ、4/4拍子、ヘ長調
全員の踊り：アレグロ、3/4拍子、ニ長調
少年たちの踊り：プレスト、6/8拍子（一部2/4拍子）、ニ短調・ハ長調
娘たちの踊りと少年たちの踊り：モデラート・アラ・ブレーヴェ、2/2拍子（一部12/8拍子）、イ長調
少年たちの踊りと男たちの踊り：プレスト、6/8拍子（一部2/4拍子）、ニ短調・ハ長調
全員の踊り：アレグロ・コン・スピリト、4/4拍子、イ長調

編曲とポピュラー音楽への影響

『だったん人の踊り』は、その魅力的な旋律から、様々なジャンルで編曲されています。以下に代表的な例を挙げます。

ミュージカル『キスメット』：この作品では「ストレンジャー・イン・パラダイス」という楽曲に編曲されています。
ベンチャーズ：「パラダイス・ア・ゴーゴー」としてロックアレンジされています。
* その他：坂本真綾、天野清継、桑島法子、鷺巣詩郎など、様々なアーティストによって、ポップス、ジャズ、アニメソングなど多岐にわたるジャンルでカバーやアレンジが行われています。

登場作品

この楽曲は、アニメ『響け！ユーフォニアム2』にも登場し、劇中の吹奏楽コンクールで演奏されるなど、様々なメディアで親しまれています。

まとめ

『だったん人の踊り』は、オペラの一曲でありながら、独立した楽曲としても非常に人気が高く、その情熱的な旋律と多様な音楽表現は、多くの人々を魅了し続けています。クラシック音楽ファンだけでなく、幅広い音楽ファンにとって、必聴の楽曲と言えるでしょう。

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