ちいさなとびら

永井真理子の11枚目のアルバム『ちいさなとびら』は、彼女の音楽キャリアにおいて重要なターニングポイントとなる作品です。前作『You're...』から2年4ヶ月という期間を経てリリースされた本作は、外部の作詞家や作曲家からの楽曲提供を多く取り入れている点が特徴的です。これまで以上に多様な音楽性が展開されています。

アルバムの楽曲は、永井真理子の作詞による楽曲に加え、松本隆、かせきさいだぁ≡、遠藤響子、hiyoriなど、多彩な作家陣が参加しています。作曲陣も、bice、野口薫、西川進、小林孝至、松本タカヒロ（The Turtles）、戸谷誠など、個性豊かな才能が集結しています。編曲は、全曲を西川進が担当（特記除く）。

収録曲としては、以下のような楽曲が収録されています。

恋するウイルス: かせきさいだぁ≡の作詞と野口薫の作曲による、ポップで軽快なナンバー。
愛が醒めるとき: 松本隆の作詞とbiceの作曲による、情感豊かなバラード。「かたちのないものが好き」のc/w曲。
あなたのそばにいて: 遠藤響子の作詞・作曲による、温かく包み込むような楽曲。重実徹が編曲を担当。
遠くから見つめている: 松本隆の作詞と西川進・小林孝至の作曲による、切ないメロディが印象的な楽曲。
くちびる銀河: かせきさいだぁ≡の作詞と松本タカヒロ（The Turtles）の作曲による、独特な世界観を持つ楽曲。
願いそこねた流れ星: 永井真理子自身が作詞、戸谷誠が作曲を手がけた、心に染み入るバラード。
12月の空へ: 永井真理子の作詞・作曲による、冬の情景が目に浮かぶような楽曲。
Reborn: 永井真理子と村野耕治の共作詞、戸谷誠の作曲による、新たな始まりを予感させる楽曲。
かたちのないものが好き: 松本隆の作詞と西川進・小林孝至の作曲による、アルバムの代表曲の一つ。
ひつじかひのうた。: hiyoriの作詞とbiceの作曲による、優しく穏やかな楽曲。
手紙: 松本タカヒロ（The Turtles）の作詞・作曲による、ストレートなメッセージが胸に響く楽曲。
あなたのそばにいて（Studio Session Version）: 遠藤響子の作詞・作曲による、アコースティックなアレンジが魅力的なバージョン。

また、本作の大きな特徴として、ジャケットに永井真理子の写真が使用されていない点が挙げられます。これは、これまでのイメージからの脱却を図り、新たな音楽性を打ち出す意図があったと考えられます。さらに、夫であるCoZZiが楽曲制作に一切参加していない点も、本作が永井真理子にとって新たな挑戦であったことを示唆しています。

『ちいさなとびら』は、永井真理子の新たな一面を発見できる、聴きごたえのあるアルバムです。

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