ちきゅうクラブ

ちきゅうクラブは、かつて日本に存在した政治団体であり、環境保護・エコロジーとフェミニズムという二つの大きな柱を政策の中心に据えて活動を展開しました。

結党と背景

ちきゅうクラブは、歌手であり音楽プロデューサーとしても知られる山本コウタロー氏を党首として結党されました。推薦人には、円より子氏や田嶋陽子氏など、当時から社会的に注目を集めていた著名な知識人や活動家が名を連ねていました。このことからも、ちきゅうクラブが一定の支持と期待を集めていたことがうかがえます。

1989年参院選への挑戦

1989年（平成元年）の第15回参議院議員選挙において、ちきゅうクラブは比例代表区に10人の候補者を擁立し、国政への進出を目指しました。山本コウタロー氏自身をはじめ、北沢杏子氏、門野晴子氏、やまだ紫氏など、多様なバックグラウンドを持つ人々が候補者として名を連ねました。しかし、残念ながら全員が落選という結果に終わりました。

環境政党「希望」への吸収合併とその後

参院選での敗北後、ちきゅうクラブは、他の環境政党との連携を模索するようになります。「みどりといのちのネットワーク」や「原発いらない人々」といった、同様の理念を持つ他の環境政党とともに、藤本敏夫氏が主宰する環境政党「希望」に吸収合併される形で、その活動に幕を閉じました。

ちきゅうクラブは短命な政治団体でしたが、環境問題とジェンダー平等という、現代社会においても重要な課題に取り組もうとしたその姿勢は、評価されるべきでしょう。また、著名な文化人や知識人が参加していたことからも、当時の社会における環境問題やフェミニズムへの関心の高まりを反映していると言えるでしょう。直接的な政治的成果は残せなかったものの、その理念は、後の環境運動やフェミニズム運動に影響を与えた可能性も否定できません。

ちきゅうクラブの活動は、日本の政治史における小さな一コマかもしれませんが、環境と社会のあり方を問い直す上で、重要な意味を持つ出来事として記憶されるべきでしょう。

もう一度検索