ちはや (潜水艦救難艦・初代)

潜水艦救難艦ちやは（JDS Chihaya）

概要

ちはや（艦番号ASR-401、ASU-7011）は、海上自衛隊が運用する潜水艦救難艦であり、計画番号はA101です。この艦名は、歴史的な千早城に由来しており、同名を受け継いだ日本の艦艇としては3代目にあたります。特に、海上自衛隊が開発した潜水艦救難艦として初めての国産艦として位置づけられています。

歴史

海上自衛隊が発足した時期には、潜水艦を保有していませんでしたが、1954年に日米艦艇貸与協定が結ばれ、1955年にはガトー級潜水艦「ミンゴ」が日本に貸与されました。この艦は「くろしお」として再就役し、海上自衛隊の潜水艦が誕生したことで、救難艦の必要性が認識されるようになりました。

それに伴い、潜水艦の建造が進む中で、昭和34年度計画に基づき、ちはやの建造が決定しました。この艦は、海上自衛隊並びに旧海軍の全く新しい艦種であり、設計や建造には多くの挑戦が伴いました。特に、商船の設計手法を取り入れ、経済的な建造が求められました。

設計

ちはやの設計は、独特の形状を持つ2層構造の全通甲板を特徴としており、この船型は遮浪甲板型と呼ばれています。また、同時期の補助艦艇と同様に、2サイクルの商用船舶用ディーゼル機関が搭載されており、三菱横浜MAN G6Z52/70の直列6気筒エンジンを使用しています。さらに、操縦性を考慮し、可変ピッチ・プロペラも採用されています。

装備

ちはやの潜水艦救難装置は、アメリカ海軍のレスキュー・チェンバーを基にしたもので、これはチャールズ・モンセン少佐が開発したシステムに基づいています。この装置は1930年にアメリカ海軍で正式に採用されたもので、実際には1939年に沈没した「スコーラス」の救難で初めて使用されました。救難作業は、遭難潜水艦の状況を調査した後に、4点係留方式で行われます。

艦歴

ちはやは、1960年3月に三菱日本重工業横浜造船所で起工し、1961年に就役しました。その後、呉地方隊に編入され、1962年には第1潜水隊が新編されました。以降、自衛艦隊隷下に編入され、特務艦に種別変更された後、1989年に除籍されるまで使用されました。

まとめ

海上自衛隊の潜水艦救難艦ちやはは、日本の艦艇として唯一無二の存在であり、艦の設計や機能が特に進化を遂げた過去の事例です。その歴史と技術は、現在の潜水艦救難活動においても重要な役割を果たしています。

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