つくばセンタービル

つくばセンタービルの概要

つくばセンタービルは、茨城県つくば市吾妻一丁目に位置する多機能複合施設です。この建物は筑波研究学園都市の中心的存在として知られ、建築家磯崎新の重要な作品の一つとされています。1980年に工事が始まり、1983年に完成し、同年にオープンしました。最初からホテル、コンサートホール、商業施設や広場を併せ持つこの施設は、地域のランドマークとしての役割を担っています。

建築様式とデザイン

つくばセンタービルは、日本のポストモダン建築の代表例に位置付けられています。磯崎新は、幾何学的なデザインを駆使し、歴史的な要素を巧みに取り入れています。また、マニエリスム的な表現が随所に見受けられ、隠喩や象徴が散りばめられています。特に注目すべきは、ローマのカンピドリオ広場を反転した形での広場デザインです。カンピドリオと異なり、つくばの広場は噴水が中央に配置され、周囲に集う人々を引き寄せています。

竣工当初、つくばセンタービルが一時期廃墟化した際、そのイメージがパース図として公表されたことも大きな話題となりました。その後、磯崎は作品の完成後一時的なスランプを経験するなど、彼にとっても特別なプロジェクトであったことが伺えます。また、ビルの最上部には「TC」の文字をデザイン化したものがあしらわれ、つくばセンターという名称を象徴しています。

施設の構成

このビル内には、様々な施設が揃っています。主な施設には、日航つくばホテル（旧オークラフロンティアホテルつくば）、ノバホール（コンサートホール）、吾妻交流センター（社会教育施設）、つくばイノベーションプラザ（情報センター）、つくば市市民活動センター、レストラン街「アイアイモール」、オフィスビル、そしてつくばセンター広場があります。特に1990年には別館が設立され、さらなる機能性が追加されました。2022年にはレストラン街の跡地がリニューアルされ、「co-en」として新たにオフィスやコワーキングスペース、シェアキッチンを備えた施設に生まれ変わりました。

交通の便

つくばセンタービルは便利な交通アクセスも特長です。首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスのつくば駅からはA3出口前に位置し、2005年に開業しました。また、ビルはつくばセンターバスターミナルに直結しており、1985年から運行されている多くのバスがビルの周辺を通っています。このように良好なアクセスが整備されているため、訪れる人々にとって非常に便利です。

映画や放送での利用

つくばセンタービルは、特撮作品やテレビドラマの撮影地としても知られています。特に、1984年に放送されたテレビ朝日の特撮ドラマ「超電子バイオマン」では、オープニングやエンディングのシーンに当ビルが映し出されました。また、作品内でバイオマンのキャストがこのビルをバックにポーズを決めた写真も残されており、地域の文化的なシンボルとしての存在感を強めています。

このように、つくばセンタービルは建築としてだけでなく、地域社会や文化とも深く結びついた複合施設であり、その魅力は多岐にわたって展開しています。

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