つくばテレビ

株式会社つくばテレビ：変遷を遂げた番組制作会社

株式会社つくばテレビは、東京都中央区に本社を構えるテレビ番組制作会社、コンテンツプロバイダです。その社名からは想像しにくいかもしれませんが、設立当初は茨城県の地域情報発信を目的としていました。

歴史

1996年7月、小島裕樹氏によって設立され、同氏が代表取締役社長に就任しました。社名に「つくば」とあるように、当初は茨城県の地域情報を提供する目的で、1997年2月にはパーフェクTV!（現スカパー!プレミアムサービス）をプラットフォームとする「ほっと茨城テレビ（HITチャンネル）」の委託放送事業者として認定を受けました。

当初は1997年4月1日の開局を目指しましたが、準備に時間を要し、実際の開局は同年10月1日となりました。開局当初は、鹿島アントラーズの情報番組や早朝の生ワイド番組などを放送していました。しかし、放送設備の関係から茨城県内にスタジオを設けることができず、生放送などは都内のスタジオを借りて制作していました。

当時の株主構成は、大手自動車会社のディーラーや建設業者などであり、不足する資金は茨城県や地域事業者からの支援を見込んでいました。しかし、地域経済の地盤の弱さや、県外からの新規参入によるコネクション不足、事業計画の曖昧さから、十分な支援やスポンサーを集めることができず、資金繰りは早々に悪化しました。当初は昼間は茨城県向けに無料放送、夜間は趣味のチャンネルとして有料放送を行うというビジネスモデルを計画していましたが、県外の放送局であるため茨城県からの支援が見込めず、開始から3か月で茨城県の地域情報番組を休止せざるを得なくなりました。1998年4月には、資金繰りに行き詰まり、衛星トランスポンダ料金未払いにより電波を止められるという事態に陥りました。

その後、債権者の助けにより支援企業を探し、菅原正彦氏が社長に就任しました。総合行政出版（まんぞくチャンネル）などの協力により、レースクイーンやAV女優などのセクシー女優を専門に扱う「kitまんぞくクラブ」として同年7月に放送を再開しました。メーカーやプロダクションに依存した低予算番組で、独身男性を中心としたユーザーを集め、経営再建に成功しました。

2003年には、アダルト色の強い「kitまんぞくクラブ」からチャンネル名を変更し、エンターテイメント性を強調した「エンタ!371」となりました。その後、スカイパーフェクTV!110（現スカパー!）の委託放送事業者であるCS日本（日本テレビの衛星放送）に番組供給を行い、「パンチクラブ」という名称で一部サイマル放送されました（2008年3月31日に終了）。現在は、インターネット上のブロードバンドコンテンツもYahoo!やスカパー!BBなどで提供しています。

2010年6月1日からは、ハイビジョンチャンネル「Pigoo HD」（現アイドル専門チャンネルPigoo）の放送をスカパー!HD（現スカパー!プレミアムサービス）で開始しました。放送開始当初は「エンタ!371」から成人向け番組を除外したものでしたが、2012年以降はほとんどの番組がオリジナルとなっています。また、同日よりVシアター135の運営を、「チェリーボム」を運営しているアスパイアビジョンから承継しました。

2019年現在、上記のアイドル関連番組、成人向け番組制作・配信のほか、「AKIBAカルチャーズ劇場」運営、WEBサイト制作、食品販売など、放送以外の事業にも積極的に取り組んでいます。一方、社名の由来となった茨城県に関連する事業は行っておらず、公式サイトにも「会社は茨城県にはない」と明記しています。

現在放送中のチャンネル

アイドル専門チャンネルPigoo（スカパー!プレミアムサービス Ch.663）
エンタ!959（スカパー!プレミアムサービス Ch.959）

配信サイト

pigooオンデマンド
エンタ!959およびアイドル専門チャンネルPigooの番組を有料配信する配信サイト。

関連項目

* AKIBAカルチャーズ劇場 - つくばテレビが運営している劇場。

株式会社つくばテレビは、設立当初の目的とは異なり、時代に合わせて事業内容を変化させながら、独自の道を歩んでいる企業と言えるでしょう。

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