つばさ (キャンディーズの曲)

1978年4月4日、後楽園球場で行われたコンサート『ファイナルカーニバル』をもって惜しまれつつ解散した国民的アイドル、キャンディーズ。彼女たちの音楽活動の掉尾を飾るシングルとして、同年11月21日にCBSソニーからリリースされたのが、通算18枚目となる「つばさ」です。

この楽曲は、グループの解散が既に決定し、ファンへの別れが目前に迫る中で制作されました。完成した「つばさ」は、レコード発売に先駆けて、ライブステージでファンに披露され、その感動的なメロディーと歌詞は多くの人々の心に深く響きました。音源としては、1977年12月に発売された5枚組のアルバム『CANDIES 1676 DAYS〜キャンディーズ1676日〜』に先行収録されています。

アルバム収録後、「つばさ」はテレビやラジオといった様々なメディアでも歌唱される機会が増えました。中でも、1978年3月19日に放送されたNHKの音楽番組『レッツゴーヤング』の特別企画「さよならキャンディーズ」でのパフォーマンス映像は貴重であり、現在もNHKの公開放送ライブラリーにて視聴することが可能です。

そして、「つばさ」はキャンディーズの歴史において、非常に特別な位置づけを持つ楽曲となりました。1978年4月4日、後楽園球場の満員の観客が見守る中で行われた『ファイナルカーニバル』。数々のヒット曲で会場を熱狂させたステージのクライマックス、三人が最後に歌ったのが、この「つばさ」でした。ファンへの感謝と、アイドルとしての活動を終える気持ちが込められたこの歌のパフォーマンス中、伝説として語り継がれる感動的な瞬間が訪れます。楽曲の途中に挿入されるセリフパートの最後に、メンバーがファンに向けて感謝の気持ちを伝える「本当に、私たちは、幸せでした!!」という言葉を発しました。このメッセージは、キャンディーズのラストメッセージとして、解散から長い年月が経過した今もなお、多くのファンの記憶に鮮明に残されています。

このシングルには、タイトル曲「つばさ」（演奏時間：4分45秒）の他に、カップリング曲として「グッドバイタイムス」（演奏時間：4分28秒）が収録されています。「つばさ」の作詞はキャンディーズのメンバーである伊藤蘭が担当し、作曲および編曲は渡辺茂樹が手掛けました。「グッドバイタイムス」は、作詞を阿木燿子、作曲・編曲を穂口雄右という、キャンディーズの多くの楽曲制作に携わった作家陣が担当しています。

シングルに収録されたこれら二つの楽曲は、発売に先行してオリジナルアルバムに収録されていた音源が使用されています。「つばさ」は前述のアルバム『CANDIES 1676 DAYS〜キャンディーズ1676日〜』からのシングルカットです。一方、「グッドバイタイムス」は、1978年5月21日に発売されたライブアルバム『FINAL CARNIVAL Plus One』のDisc 3に収録されたスタジオ録音バージョンがシングルに採用されました。

シングル発売後も、「つばさ」と「グッドバイタイムス」はキャンディーズの代表曲として、数々のアルバムに収録されています。例えば、広く親しまれているベストアルバム『GOLDEN☆BEST キャンディーズ』には両曲が収められています。また、ライブアルバム『FINAL CARNIVAL Plus One』には、Disc 2に『ファイナルカーニバル』でのライブ音源としての「つばさ」が、そしてDisc 3にはシングルにも使用されたスタジオ録音バージョンの「グッドバイタイムス」がそれぞれ収録されており、同じ楽曲の異なるテイクを楽しむこともできます。

キャンディーズの輝かしい活動の最終章を飾ったシングル「つばさ」は、単なる楽曲としてだけでなく、グループの解散という大きな出来事と密接に結びついた、ファンにとって忘れられない特別な存在です。感謝の気持ちと共に幕を閉じた彼女たちの物語を象徴するこの歌は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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