CANDIES 1676 DAYS〜キャンディーズ1676日〜

『CANDIES 1676 DAYS〜キャンディーズ1676日〜』は、人気アイドルグループ、キャンディーズが1977年 12月5日にリリースした特別なボックスセットです。このリリースは、翌年春に迫ったグループの解散を前に、彼女たちのこれまでの活動を総括する企画として発売されました。タイトルの「1676日」という数字には、彼女たちのキャリアにおける重要な期間が込められています。具体的には、1973年 9月1日にリリースされた歌手デビューシングル「あなたに夢中」の発売日から、1978年 4月4日に後楽園球場で行われた最後のコンサート「ファイナルカーニバル」までの全日数を指しています。キャンディーズの歴史そのものをパッケージした、ファンにとって大変価値のある作品と言えるでしょう。

このボックスセットは、LPレコード5枚組（カセットテープでは3本組）という大ボリュームで構成され、合計58曲が収録されています。「カラフルに刻まれたキャンディーズ大全集」という帯のコピーが、その内容の豊富さを物語っています。

各ディスクの構成は以下のようになっています。

Disk 1〜3: これらのディスクは、グループの代表曲を集めたベストアルバムのような内容です。発売当時までに発表されていた16枚のシングルのうち、セカンドシングル「そよ風のくちづけ」と、本作と同時発売された最新シングル「わな」を除く14枚のシングルのA面曲を中心に、一部のB面曲やアルバムに収録されていた楽曲が織り交ぜられています。彼女たちのヒットヒストリーを辿ることができる選曲と言えるでしょう。
Disk 4: このディスクには、洋楽のカバー曲が集められています。収録されている楽曲のほとんどが、このボックスセットのために新たに録音された音源です。海外のアーティストの楽曲をキャンディーズがどのように表現しているかを楽しめる、珍しいディスクとなっています。ただし、「SUGAR CANDY KISS」と「ALL YOU GET FROM LOVE IS A LOVE SONG」の2曲は、同年にリリースされたアルバム『Candy Label』にも収録されていますが、本作では異なるミックスバージョンが収められています。
* Disk 5: このディスクは、ファン待望の音源が多数収録された、新録曲や未発表曲のコレクションです。普段のステージでしか披露されていなかったレアな楽曲や、1976年に日本劇場や梅田コマ・スタジアムで開催されたワンマンショーのために制作されたオリジナルミュージカル『スタンバイOK』で使用された楽曲が含まれています。特に、「銀河空港」はお蔵入りになっていたもののステージで歌われていた楽曲であり、「めざめ」はライブ盤には収録されていましたがスタジオ音源はこちらに初収録されました。また、当時の最長演奏時間を誇る「キャンディーズ1676日」や、メンバーの伊藤蘭が作詞を手がけた「つばさ」など、このアルバムでしか聴けない貴重なトラックが収められています。「つばさ」は、後にメンバーの意向を無視する形でシングルカットされたというエピソードも残されています。

本作は、発売当時はLPとカセットのみでのリリースでしたが、2000年に初めてCDとして復刻されました。このCD化にあたっては、LP盤の5枚分が完全に収録されたほか、ボーナストラックとして未収録だった初期のシングル「そよ風のくちづけ」や同時発売の「わな」、そして解散後のシングル「微笑がえし」が追加されています。さらに、LP盤やカセットではクレジットされていなかったミュージカル『スタンバイOK』の劇中歌「ふたりぼっちの夜間飛行」が、正式に楽曲リストに加えられた点も大きな変更点です。

その後、2008年 9月3日にリリースされたCD-BOX『キャンディーズ・タイムカプセル』にも、このボックスセットの一部が収納されています。こちらは紙ジャケット仕様となっており、LPのDisk 4と5に相当する内容が復刻されました。このバージョンでは、先のCD化で追加されたボーナストラックに加え、キャンディーズに捧げられた楽曲など、さらに多くのボーナストラックが追加収録されており、より資料性の高い内容となっています。

『CANDIES 1676 DAYS〜キャンディーズ1676日〜』は、キャンディーズが駆け抜けた日々を音源で辿ることができる、まさに集大成とも呼べる作品です。活動中の代表曲から、普段聴くことのできなかった貴重なトラックまで、彼女たちの多様な魅力が詰まっています。

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