てなもんや幽霊道中

映画『てなもんや幽霊道中』

『てなもんや幽霊道中』は、1967年9月2日に公開された日本[[映画]]で、東宝、渡辺プロ、宝塚映画が制作したコメディ作品です。本作は『てなもんや』シリーズの最終作であり、前の作品『てなもんや東海道』や『幕末てなもんや大騒動』に続いています。監督は松林宗恵が務め、キャッチコピーには「ユーレイ、怪獣やったるでェ! 東西爆笑陣のスチャラカ大武勇伝!」が添えられています。

概要

本作では、加賀美藩のお家騒動を中心に、幽霊や妖怪、怪獣といったファンタジー要素が絡む、コミカルなストーリーが展開されます。劇中で使用されるギャグや演出は、前作『東海道』と同様に特徴的で、モノクロからカラーへの変化を用いた演出が印象的です。
特に、加賀美城として登場するのは実際の彦根城であり、ロケーションのリアリティも加味されています。
そのほか、テレビ版からの出演者も多く、南利明、財津一郎など東西の喜劇人が参加し、特にザ・ドリフターズのメンバーも登場するなど、豪華なキャストが一堂に会しています。

本作はTBSの『土曜映画招待席』で放送されたことで、広く知られるようになりました。また、2013年にはDVDマガジン「昭和の爆笑喜劇」シリーズの一環として再発売されました。

ストーリー

物語はあんかけの時次郎と珍念が、百万石の大藩・加賀美藩に到着するところから始まります。しかし、城下は物価高で宿泊先にも困り、彼らは修念和尚のいる寿命寺に泊まることになります。その頃、加賀美城では藩主である加賀美正家が病死し、遺体は家老の大杉源蔵の指示で寿命寺に埋葬されることになりました。
夜、時次郎と珍念は正家の霊を見て驚き、逃げ去ります。

一方、加賀美城では大杉家老が正家の落し胤であるまゆみ姫の行方を探らなければならない事情を抱えていました。大杉は自らの企みに利用するため、まゆみ姫を探して追っ手を送り、雪枝という腰元がそのことを知ります。そこで、雪枝は時次郎と珍念に出会い、協力を依頼します。

時次郎と珍念は旅芸人と出会い、看板娘の博多小春とも親密になりますが、その後、小春がまゆみ姫であることが判明します。
小春を含む一座は、大杉の陰謀によって危機に晒されますが、一行は協力して贋金のアジトを突き止め、黒岩の元で連れ去られた小春たちを救出します。さらに、時次郎と珍念は芝居を打つことでお家騒動を終息させる作戦を立て、大杉家老を追い詰め、その陰謀を暴くことになります。

最後は正家が実際には生きていたことが明らかになり、大杉は切腹に追い込まれ、時次郎と珍念は旅に戻ります。物語の結末は痛快さと感動が融合したもので、喜劇の要素を存分に活かした作品となっています。

スタッフ

製作スタッフには渡邊晋、五明忠人、脚本に笠原良三、澤田隆治が参加しています。音楽は萩原哲晶、撮影は長谷川清が担当しました。
出演者には藤田まこと、白木みのるをはじめ、野川由美子、恵とも子など豪華な顔ぶれが揃っています。

挿入歌

映画の中で各種の挿入歌も多く用いられ、特に「てなもんや数え歌」や「娘旅笠」などが印象的です。音楽も物語の雰囲気を引き立てる重要な要素となっています。

関連項目

• - てなもんや三度笠
• - 第一次怪獣ブーム

このように『てなもんや幽霊道中』は、日本の映画史における特異な喜劇作品の一つであり、観客に楽しさと笑いを提供するために多様な手法を駆使した魅力的な作品です。

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