てれビタ

くまもと県民テレビ（KKT）で平日の夕方に長きにわたり放送された生ワイド番組が『てれビタ』です。前身番組である『テレビタミン』として1997年3月31日にスタートし、以来27年間にわたり熊本県内の視聴者に親しまれましたが、2024年3月28日の放送をもってその歴史に幕を下ろしました。

番組は当初、『本橋馨の情報わいど テレビタミン』のタイトルで16時55分に放送を開始しました。その後、放送時間の拡大に伴い『テレビタミン4:45』と名称が変更されるなど、時代の変化に合わせて進化を続けました。特に、KKTアナウンサーの本橋馨氏と村上美香氏のコンビが20年近くにわたってメインキャスターを務め、熊本の夕方の顔として番組を牽引しました。2017年には放送開始20周年を迎え、地域に根差した老舗の情報番組としての地位を確立しました。

2018年4月には、番組タイトルを『てれビタ』と改め、ニュース・報道色の強い内容へとリニューアルが図られました。これに伴い、長年司会を務めた本橋氏と村上氏が番組を卒業し、新たなメインキャスターが登場しました。さらに2021年3月には、日本テレビ制作の全国ニュース『news every.』第1部と番組を統合し、『てれビタevery.』と改題して放送開始時間を15時50分に前倒しするなど、最終期まで様々な改編が行われました。

番組は、スタジオからの進行に加え、熊本市内中心部などからの公開生中継を織り交ぜるスタイルを採っていました。地域に密着した情報提供を重視し、県内各地の話題を取り上げる「テレビタ特派員情報」は、番組開始当初から最終回まで続いた看板コーナーの一つです。また、視聴者参加型のゲームコーナーも人気を博しました。中でも「めくって！はい&ろー」は、電話で参加する視聴者がカードの数字の上下を予想して賞品獲得を目指すというシンプルなルールながら、出演者との掛け合いも相まって盛り上がりを見せました。このコーナーは、他県のテレビ局の番組でも類似企画が生まれるほど影響力がありました。後期にはマジシャンによる「マジック de 翔」が視聴者を楽しませました。

日々のニュースは、県内向けに「てれビタNEWS」として伝えられ、全国のニュースは「news every.」のNNN枠をネットしました。スポーツ情報、最新の映画情報、視聴者から寄せられた写真を紹介する天気予報など、バラエティ豊かな内容で構成されました。過去には、他局との連携企画も実施されており、ミヤギテレビの夕方ワイド番組との中継企画や、NHK熊本放送局の番組との異例の同時生放送を行うなど、様々な試みが行われました。

多くの出演者が番組を彩りました。長年メインを務めた本橋氏と村上氏をはじめ、ニュース担当アナウンサー、各地からリポートを届けたリポーター陣（もっこすファイヤー、小松野希海、ばってん城次、英太郎など）、タレントや専門家からなるゲストコメンテーターなどが日替わりで登場しました。番組開始当初から出演し、惜しまれつつ2006年に死去したばってん荒川氏も、料理コーナーなどで活躍した忘れられない顔ぶれの一人です。

番組から派生した地域イベントも特筆すべき点です。「テレビタ感謝祭」は、2002年から2010年まで隔年で開催され、番組で紹介されたグルメの販売やキャスター開発商品の提供、ステージイベントなどを実施し、毎回多くの来場者を集めました。2012年からは「KKT夢まちランド」へと発展し、開催規模を拡大。中心市街地を会場に、より多彩な企画を展開し、10万人を超える大規模イベントとなりました。さらに、「火の国まつり」に合わせて「KKT夏まちランド」も開催され、地域活性化の一助を担いました。

27年間にわたり、熊本の夕方の情報源として、また地域との交流の場として重要な役割を果たした『てれビタ』。最終回では、歴代の出演者らが集まり、番組の歴史を振り返りつつ、長年の視聴者への感謝を伝え、惜しまれながらも放送を終えました。地域に根差した生放送番組として、熊本の夕方を彩り続けたその存在は、多くの人々の記憶に残ることでしょう。

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