できるでショウか

1961年春、日本テレビ系列で放送されたバラエティ番組『できるでショウか』。トヨタ自動車の一社提供によって実現した、全12回の短命番組でしたが、当時としては斬新な企画と個性的な出演者によって、多くの視聴者を魅了しました。

毎週水曜日の夕暮れ、18時15分から30分間、視聴者の前に華やかな世界が広がりました。番組の最大の特徴は、日本各地から集められた、個性豊かな出演者たちです。珍しい経歴の持ち主、並外れたコレクションを誇るコレクター、そして特定の分野で卓越した技術を持つチャンピオンたちが、毎週テーマに沿ってその技芸を披露しました。

テーマは多岐に渡り、「力持ち」「お金」「江戸百景」など、視聴者の興味を引く様々な題材が取り上げられました。力自慢の競演、貴重なコレクションの展示、熟練の技の披露など、内容はバラエティに富んでおり、飽きさせない工夫が凝らされていました。これらのパフォーマンスに加え、歌やダンスのコーナーも設けられ、番組全体を華やかに彩っていました。

番組を進行したのは、桂小金治。軽妙なトークで番組全体をまとめ上げ、視聴者を飽きさせない手腕を発揮しました。彼を支えたのは、アシスタントを務めた丘野美子と田代みどり。二人の女性アシスタントは、桂小金治のトークに絶妙なタイミングで絡み、番組に活気と明るさを与えていました。

そして忘れてならないのが、番組を盛り上げたレギュラー出演者たちです。人気歌謡グループのスリー・バンビーズは、華やかな歌とダンスで番組をさらに魅力的なものにしました。また、『できるでショウか』を語る上で欠かせないのが、「意地悪一家」の存在です。この家族は、番組の狂言回しとして、独特のユーモアで視聴者を楽しませました。佐山俊二が一家を支える大黒柱、渋沢詩子が妻、高村信孝が息子という設定で、コミカルなやり取りが番組に笑いを提供しました。

『できるでショウか』は、わずか12回という短い期間での放送でしたが、その内容の濃さと個性的な出演者たちの存在感は、視聴者の記憶に強く刻まれています。高度経済成長期の日本社会を反映するかのように、活気に満ちた番組は、現代のバラエティ番組の原型とも言える存在感を示しています。限られた時間の中で、様々な才能とユーモアが凝縮された『できるでショウか』。その魅力は、今なお語り継がれるに値するでしょう。

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