佐山俊二

佐山俊二：喜劇役者としての一生

佐山俊二（さやま しゅんじ、本名：中江勇）は、1918年9月13日、北海道登別市に生まれました。兄は劇作家の故中江良夫です。室蘭市で小学校を卒業後、上京。20歳の1938年、満を持して舞台の世界に足を踏み入れました。

1943年には自身一座を旗揚げし、1944年には劇団新生座を設立するなど、精力的に活動します。第二次世界大戦後には、八波むと志とあらいやだコンビを結成し、浅草・フランス座で人気を博しました。

コメディアンとしての佐山俊二は、その軽妙な語り口と卓越した演技力で観客を魅了しました。1956年には由利徹、南利明と、人気コメディグループ「脱線トリオ」を結成。グループ解散後も、その確かな実力と人気で活躍の場を広げます。1957年には映画『女護が島珍騒動』で映画初主演を果たし、俳優としても成功を収めました。

佐山俊二は、持ち前の喜劇センスで数々の映画作品にも出演しました。日活、新東宝、東映といった大手映画会社作品に出演する一方、『男はつらいよ』シリーズには備後屋役でレギュラー出演を果たすなど、名脇役として幅広い活躍を見せました。

舞台俳優としても、佐山俊二は絶大な人気を誇っていました。由利徹、南利明らと共演した舞台作品は数知れず、終始観客を笑いの渦に巻き込みました。

しかし、1984年1月15日、舞台『初春浮世まくら』公演中の夜、脳出血のため倒れました。名古屋第二赤十字病院で治療を受けるも、1月30日、65歳という若さでこの世を去りました。その死は、桜金造の著書『身長5cmの幽霊』で詳しく綴られています。

佐山俊二は、数々の映画、テレビドラマ、舞台作品に出演し、日本のコメディー界、そして映画界に大きな足跡を残しました。彼の軽妙な演技と温かい人柄は、多くの人々の記憶に深く刻まれています。

映画出演作品（抜粋）

『女護が島珍騒動』（1957年）
『竜巻小僧』（1960年）
『誰よりも金を愛す』（1961年）
『柔道一代』（1963年）
『大日本コソ泥伝』（1964年）
『大日本ハッタリ伝』（1965年）
『大日本チャンバラ伝』（1965年）
『006は浮気の番号』（1965年）
『網走番外地 大雪原の対決』（1966年）
『男はつらいよ』シリーズ（1970年～1983年）

テレビドラマ出演作品（抜粋）

『お笑い三人組』
『ひょっこりひょうたん島』
『三匹の侍』
『男はつらいよ』
『キイハンター』
『ウルトラマンA』
『鬼平犯科帳』
『飛び出せ!青春』
『雑居時代』
『新・必殺仕事人』

舞台出演作品（抜粋）

『夏休みだよ!サザエさん』（磯野波平役）
『第5回百恵ちゃんまつり』

佐山俊二の功績は、日本のコメディー史、そして演劇史に燦然と輝くものと言えるでしょう。彼の名は、これからも多くの人々に語り継がれていくことでしょう。

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