とかち麺工房

株式会社とかち麺工房

株式会社とかち麺工房は、かつて北海道中川郡幕別町に拠点を置いていた食品製造会社です。主にカップ麺やインスタントラーメンの製造・販売を手掛けていました。

歴史

その歴史は古く、1928年（昭和3年）に味噌・醤油の醸造業として創業しました。その後、1948年（昭和23年）に製麺業へと事業を拡大します。

1971年（昭和46年）には、十勝新津製麺株式会社に組織変更。

しかし、1986年（昭和61年）には過剰投資などが原因で経営が行き詰まり、和議を申請する事態となります。

2000年（平成12年）8月には、大手コンビニエンスストア向けに、全国各地の有名ラーメン店の名前を冠したカップ麺の製造を開始し、事業を拡大しました。

2009年（平成21年）5月、株式会社とかち麺工房に社名を変更しました。

しかし、2014年（平成26年）7月18日、経営難により事業を停止。同年8月5日には、釧路地方裁判所帯広支部から破産手続開始決定を受けました。

同年10月、力の源ホールディングス傘下の渡辺製麺が、破産管財人からとかち麺工房の用地・設備を取得し、同社のとかち帯広事業部として事業を再開しました。

2018年（平成31年）3月、渡辺製麺はカップラーメン事業を廃止し、とかち麺工房としての歴史に幕を閉じました。

製品の特徴

とかち麺工房のカップ麺は、氷結乾燥法で作られた麺を使用しているのが特徴です。この製法は、長野県の郷土料理である凍り蕎麦の製法をヒントに独自に開発されたもので、1988年（昭和63年）に特許を取得しています。

この氷結乾燥麺は、通常の乾燥麺に比べて、麺のコシが強く、生麺に近い食感が特徴です。また、スープの吸い込みが良いため、より美味しくカップ麺を味わうことができるとされていました。

とかち麺工房は、独自の技術と製品開発力で、一時はカップ麺業界で注目を集めましたが、最終的には経営難により事業を停止しました。しかし、その技術と製品は、渡辺製麺に引き継がれ、一部製品にその技術が生かされています。

まとめ

株式会社とかち麺工房は、味噌・醤油醸造から始まり、製麺業、そしてカップ麺製造へと事業を拡大してきた企業です。独自の氷結乾燥麺技術で一時代を築きましたが、経営難により破産。その後、渡辺製麺に事業の一部が引き継がれましたが、カップラーメン事業は廃止されました。その歴史は、地方の中小企業が技術革新で成功を目指す難しさを示す一例と言えるでしょう。

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