としまエコミューゼタウン

としまエコミューゼタウンの概要

豊島区南池袋に位置する「としまエコミューゼタウン」は、東京都の新たな象徴である複合施設です。この施設は、豊島区庁舎と高層マンションが一体化している点が特徴であり、国内初の試みとして注目されています。

背景と建設の経緯

1961年に建設された旧豊島区役所は、老朽化が進行し、維持管理コストの増大や業務の分散化に伴い、区民サービスの低下が懸念されていました。このため、区は新庁舎建設を計画しましたが、予算不足から長らく進展がありませんでした。しかし、2011年の区長選挙で新庁舎建設の推進を公約に掲げた高野之夫が4期目を当選したことで、再び話が進み始めました。

建設地は南池袋の約5.3ヘクタールに及ぶ地域で、再開発計画が進行しました。特に大学や企業の進出により、地価が上昇したことで計画の実現可能性が高まりました。この時期に、民間企業と連携して再開発事業が行われることとなります。

プロジェクトの詳細

新庁舎は、特に建物設計において「自然と建物の共存」をテーマに掲げ、庁舎外壁には緑化パネルや太陽光発電パネルが施されています。また、屋上には「豊島の森」と名付けられた庭が広がり、四季折々の木々や水の流れを再現しています。これにより、地域住民が憩える空間が整備され、環境にも配慮した設計がされています。

さらに、地下には東京メトロ有楽町線東池袋駅への連絡通路が設けられ、周辺の主要施設にアクセスしやすくなっています。これにより、交通の利便性が向上し、地域全体の街づくりにも寄与しています。

建物の機能

「としまエコミューゼタウン」の1階及び3階から9階部分が豊島区役所として機能し、2015年から業務を開始しました。建物内は自然換気を利用した設計が施され、明るい雰囲気が醸し出されています。エコヴォイドと呼ばれる吹き抜け空間によって、来館者は快適に過ごすことができるよう工夫がされています。さらに、大規模な多目的ホールもあり、災害時にはコミュニティの拠点として利用できる設計になっています。

区役所の運営効率の向上も目指されており、案内コンシェルジュの設置や、業務課の集約化が実施されました。このような配慮により、住民がスムーズに利用できる庁舎の提供が実現しています。

住環境の整備

としまエコミューゼタウンは、庁舎だけでなく、高層マンション「ブリリアタワー池袋」を含んでいます。総戸数432戸を誇るこのマンションは、居住空間と共用空間がバランス良く配置されています。階層ごとに地域の自然を感じられるデザインが施てあり、居住する人々に快適な生活環境が提供されています。

さらに、新しいインフラ整備により、周辺には新たなビルや公共施設の建設も予定されており、豊島区全体が持続的に発展する見通しです。

受賞歴

このプロジェクトは、2015年度グッドデザイン賞や2017年度第58回BCS賞を受賞するなど、その設計と機能性が高く評価されています。

結論

としまエコミューゼタウンは、地域の行政機能と住居が一体となったモデルケースです。今後も地域の発展とともに、多くの人々に利用され続ける施設として期待されています。

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