とちぎの百様:栃木県が誇る100の地域資源
栃木県は、県民の郷土愛を育み、地域ブランドを全国に発信することを目的として、
2015年に「とちぎの百様」を選定しました。これは、県民が誇れる100の
文化財や
特産品を選りすぐったプロジェクトです。
選定プロセスは、まず「ふるさと栃木の魅力醸成会議」において195件の候補が挙げられました。その後、県内外からの14,392票もの一般投票を参考に、県が最終的に100件を選定しました。選定された資源は、県民が親しみを込めて「様」をつける習慣にちなんで「○○様」と名付けられ、それぞれに個性的なキャラクターが与えられています。
「とちぎの百様」には、自然豊かな風景、歴史的建造物、伝統工芸品、そして地元で愛される食文化など、多様な魅力が凝縮されています。例えば、
日光東照宮の荘厳な社殿、豊かな自然に恵まれた
那須高原、伝統的な技法で造られる
益子焼、そしてジューシーな味わいのとちぎのいちごなど、県内各地の代表的な資源が名を連ねています。
このプロジェクトは、単に資源をリストアップするだけでなく、県民の皆様にそれらの魅力を再発見し、共有するための積極的な取り組みとなっています。県では、専用の
ウェブサイトやガイドブックを作成し、情報発信を行っています。
ウェブサイトでは、それぞれの資源について詳細な情報や写真、そして「感動ポイント」と呼ばれる短い解説が掲載されています。例えば、「日光天然氷のかき氷」の感動ポイントは「頭がキーンとしないふわふわ食感」と紹介され、その魅力が簡潔に伝えられています。
「とちぎの百様」は、観光客への情報提供にとどまらず、県民の生活にも深く関わっています。
学校教育では、小学5年生と中学2年生を対象とした「ふるさと学習」の教材として活用され、子供たちが地元の歴史や文化を学ぶ機会を提供しています。また、小中学生を対象とした「とちぎの百様ジュニア
コンクール」も開催され、俳句・川柳、作文、絵画の3部門で多くの作品が寄せられています。
民間企業も「とちぎの百様」を様々な形で活用しています。ツインリンクもてぎでは、「ワン
スプーンパーティー」と題したイベントで、百様に選ばれた食材を使った料理を提供しています。また、
とちぎテレビ・CRT
栃木放送では、「とちぎの百様」を題材にした
番組を放送し、県内の魅力を広く伝えています。
第一生命保険と共同で実施された「“とちぎの百様”川柳」コンテストでは、1872句もの応募があり、
日光東照宮の
三猿を題材にした作品が大賞に選ばれました。
「とちぎの百様」は、単なる地域資源のリストではなく、県民の誇りと郷土愛を育み、地域を活性化するための強力なツールとなっています。これからも、様々な取り組みを通して、栃木県の魅力を国内外に発信し続けることが期待されます。公式ロゴマークは、
王冠をモチーフに、冠のてっぺんに県の木である
トチノキの葉をあしらったデザインで、百様の呼称が「
王様」を連想させることから採用されました。