どきんちょ!ネムリン

『どきんちょ!ネムリン』

『どきんちょ!ネムリン』は、1984年9月から1985年3月までフジテレビで全31話が放送された特撮テレビシリーズで、東映不思議コメディーシリーズの第4作目です。この作品は、異生物たちが繰り広げるシュールなコメディを中心に展開され、小学生の少女が主人公という斬新な設定が特徴です。

概要

この作品は、『ペットントン』に続いて異生物をテーマにした作品であり、特に少女漫画を彷彿とさせるスタイルが採用されています。物語の中心には、8億年もの眠りから目覚めた妖精「ネムリン」とその仲間たちがいます。ネムリンのキャラクターデザインは、ワイヤーワークによるパペット操演で表現されており、その外見は原作の石森章太郎のイメージに忠実です。

ネムリンは、当初表情が硬かったものの、ストーリーが進むにつれて人間の感情を表現できるように進化しました。企画の初期段階では、タイトルが「ねむねむネムリン」とされていたこともありました。

メインライターは浦沢義雄で、全話の脚本執筆を計画していましたが、最終回では他の脚本家が関わることになりました。特に最終話では、坂本太郎監督が脚本を大幅にリライトしたとのことです。また、井上敏樹が本作で特撮作品の脚本を初めて担当しました。彼の起用は、父親の伊上勝との関係から実現したと言われています。

この作品は多くの支持を受けていたものの、放送期間は7か月と比較的短いものでした。その理由は、スポンサーである玩具メーカーのネムリン人形の増産が計画されたものの、工場の手配ができず、その結果、番組の継続は難しいとの判断が下されたためです。

あらすじ

物語は、ごく普通の小学生である大岩マコがある晩に見た夢によって始まります。この夢がきっかけで、8億年の眠りから目覚めた3人の妖精、「ネムリン」、「ビビアン」、「モンロー」が彼女の家に住み着くことになります。そして、彼らとの奇妙な日常が展開され、さまざまなシュールな騒動が巻き起こります。

キャラクター

妖精たち

• - ネムリン: 8億年の眠りから覚めた妖精の女王。寝ることが好きで、日中にしばしば居眠りをしています。独特の口調で喋るのが特徴で、無生物を覚醒させたり願い事をかなえたりできる特異な角笛を持っています。
• - ビビアン: ネムリンの友達でコウモリの妖精。ネムリンに絡まれることが多く、時には家族に使われることがある少し不幸な存在です。
• - モンロー: 大柄で怪力の岩の妖精。色々な物を食べてしまい、不運をもたらす石を持っています。

大岩家のメンバー

• - 大岩マコ: 小学4年生の少女で本作の主人公。明るく純粋な性格で、ネムリンたちと特に仲が良いです。
• - 大岩玉三郎: マコの兄で小学6年生。アイドル志望で勘違いが多いキャラクター。女装癖があり、自己客観視ができません。
• - 大岩サチコ: マコと玉三郎の母。専業主婦で子供たちの騒動に振り回されていますが、夫とは円満な関係にあります。
• - 大岩ヨウスケ: マコの父。家族思いでありながらも、時に癇癪を起こすことがあります。子どもたちの夢を理解しようとしています。

その他のキャラクター

• - 中山: 玉三郎の友人で、マコに好意を寄せています。
• - マサト: 牛乳屋の青年。
• - 寝不足怪人イビキ: ネムリンの敵で、睡眠不足をもたらす邪悪な存在。
• - タイムスリップおじさん: 時間と空間を超える謎のキャラクター。

制作と放送

『どきんちょ!ネムリン』は、フジテレビが製作し、1984年から1985年にかけて放送されました。視聴率は最高18.2%を記録し、多くの支持を受けました。

まとめ

この作品は、ただの特撮番組にとどまらず、キャラクターたちの個性やユーモア、そして日常の中に潜む不思議な要素を愛され続けています。2023年現在でも関連商品やコンテンツの再放送が行われており、その影響は今なお色あせていません。

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