どて焼き

どて焼き

どて焼きは、牛のスジ肉を味噌やみりんで時間をかけて煮込んだ料理で、「どて煮」または「どて」とも呼ばれます。大阪を代表する郷土料理の一つとして知られています。

概要

どて焼きの名前の由来は、鉄鍋の内側に土手のように味噌を盛り、その中央で具材を焼く調理法にあります。加熱によって溶け出した味噌で具材を煮込んでいく様子から、「土手焼」や「土手煮」と呼ばれるようになりました。

歴史

小説家の織田作之助は、大正後期から昭和初期の大阪を舞台とした小説『夫婦善哉』の中で、登場人物の若旦那を「どて焼き」を食べる姿を通して描いています。この描写からも、当時すでにどて焼きが大阪の食文化に深く根付いていたことがうかがえます。

また、愛知県や静岡県の遠州地方などの東海地方にも、どて焼きと同種の料理が存在しますが、これらの地域では「どて煮」や「どて」と呼ばれることが一般的です。1923年（大正12年）には、名古屋の新聞にどて焼きに関する記述が見られ、その歴史の古さがわかります。

東海地方のどて煮

東海地方では、牛スジだけでなく豚の臓物を使ったどて煮も一般的です。スーパーや肉屋では、どて煮の材料として、下茹でした牛スジ肉や豚の臓物が販売されています。味付けには、八丁味噌などの豆味噌がよく使われます。

どて煮を提供するお店では、串カツと一緒に提供されることも多く、希望すれば串カツをどて煮の汁に浸して食べることもできます。また、どて煮をご飯にかけた「どて飯」は、名古屋名物として親しまれています。

東海地方のコンビニエンスストアやスーパーマーケットでは、どて煮の缶詰やレトルト食品が販売されており、手軽にその味を楽しむことができます。さらに、おでんの具材である牛すじ串を味噌で煮込んでどて煮風にしたり、どて煮をおにぎりの具材にした商品も販売されています。

脚注

[参考文献]

関連項目

すじこん
土手鍋

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