ななせダム

ななせダムについて

ななせダムは、大分県大分市の一級河川である大分川水系七瀬川に建設されたダムです。このダムは、国土交通省九州地方整備局が施工した国土交通省直轄の特定多目的ダムであり、治水と上水道供給を目的にしています。ダムの建設は2019年11月に完了し、2020年4月から供用を開始しました。なお、以前の名称は大分川ダムで、建設完了時に現在の名称に変更されました。

概要

このダムは、85.5メートルの高さを持つロックフィルダムであり、大分川水系において最大規模を誇ります。特に注目すべきは、大分川とその支流である七瀬川の治水を目的とし、大分都市圏への水の供給も行うため、地域にとって重要な役割を果たしています。また、大分県においては、芹川ダム以来の多目的ダムとなります。

ダムは七瀬川に建設されていますが、その名称の通り大分川ダムと呼ばれていました。これは地元の住民の要望を受けて、建設完了後の名称変更が行われた経緯があります。

沿革

大分川は、流域において度重なる水害を引き起こしてきました。特に1953年には西日本で梅雨による大規模な水害が発生し、大分川流域にも甚大な影響を与えました。この災害では11名の死者や行方不明者が出たほか、数多くの浸水被害が報告されました。

また、1964年には大分市が新産業都市に指定され、その後の臨海工業地帯の発展に伴い、人口が急増しました。その結果、大分川の洪水想定氾濫区域内での人口密度や資産密度は九州の中でも非常に高くなり、水道の需要が拡大することが予想されました。

ななせダムは、こうした水需要に対応するため、1956年に竣工した芹川ダムと共に大分川水系の洪水調節機能を持つダムとして計画されましたが、用地の買収や漁業補償の交渉が難航したため、建設は長期化しました。

当初の竣工予定は2010年でしたが、計画変更や水需要の見直しもあり、最終的には2019年度末に完成することとなりました。

ダムの公開と施設

ダムの近くには、2019年11月30日に開業した道の駅「つはる」があり、観光スポットとしても多くの人々に利用されています。国道442号に面して立地しているため、アクセスも良好です。

ななせダムは、ただ水を貯めるだけでなく、地域の水害対策や水道水の供給に関わる施設であるため、地元住民や訪れる観光客にとって重要なポイントと言えるでしょう。

まとめ

以上のように、ななせダムは大分県において重要な役割を果たす特定多目的ダムです。その建設背景や役割を理解することで、この地域の水環境や防災対策の重要性を再認識することができるでしょう。

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