ならやま大通り

ならやま大通り

ならやま大通り（ならやまおおどおり）は、奈良県奈良市と生駒市を結ぶ主要な市道、「奈良市道・生駒市道奈良阪南田原線」の愛称です。奈良市の奈良阪町北交差点を起点とし、生駒市の南田原町、大阪府との県境付近に至る、総延長およそ12キロメートルに及ぶ幹線道路です。

この道路の歴史は、奈良市北西部の住宅地開発と深く関わっています。初めて一部が開通したのは1963年（昭和38年）で、奈良市内の登美ヶ丘住宅地内でした。当初は交通量が控えめでしたが、1972年（昭和47年）11月に奈良市東登美ケ丘から奈良阪町北まで延伸されると、奈良市北部を東西に貫く主要なルートとなり、交通量が急激に増加しました。そして、1988年（昭和63年）3月、生駒市白庭台地区の開通をもって全線が開通し、現在の姿となりました。

道路の名称にも変遷があります。計画当初は「外環状線」と呼ばれていましたが、後に正式名称である「奈良阪南田原線」となりました。現在の親しみやすい愛称「ならやま大通り」は、1987年（昭和62年）に一般公募によって決定されたものです。

ならやま大通りは、奈良盆地北部の起伏に富んだ丘陵地帯を縫うように東西に延びています。道路の構造は、奈良市内の奈良阪町北交差点から東登美ケ丘一丁目バス停付近までの約3分の2の区間が片側2車線となっており、それ以外の区間も比較的広い幅員を持っています。しかし、丘陵地帯を縦断・横断しているため、場所によっては急な上り坂を登りきった直後に急な下り坂となるような、勾配が連続する箇所も存在します。また、この道路は奈良市企業局の水道幹線が埋設された水道道路としての機能も兼ね備えています。

この大通りは、1960年代半ば以降に大阪市や京都市、そして奈良市の中心部への通勤・通学者向けの住宅地として開発が進んだ、奈良市北西部や生駒市北部のニュータウンを結ぶ、まさに地域の交通を支える大動脈としての役割を担っています。特に平城ニュータウンの建設時には、主要な配水管である「新大淵幹線」がこの道路の下に敷設されました。道路の整備が進むにつれて、沿線には次々と住宅地や教育施設が建設されました。さらに1980年代後半からは、特に奈良県道52号奈良精華線との交差地点周辺（奈良市押熊町）を中心に、沿線に住む人々を対象とした大型の量販店が多数出店し、地域の生活を支える商業拠点としての側面も強くなっています。

主な接続路線として、奈良県道701号とは連続しており、この県道を経由して阪奈道路の登山口交差点へアクセスすることが可能です。

沿線には、教育施設として東大寺学園中学校・高等学校、奈良大学、奈良大学附属高等学校、奈良県立奈良高等学校、京都府立南陽高等学校・附属中学校などがあります。商業施設としては、イオンモール奈良登美ヶ丘、イオンモール高の原内のサンタウンプラザ各館など、大型の施設が見られます。住宅地としては、平城・相楽ニュータウンを始め、三井佐保山住宅、県営平城住宅、東登美ヶ丘住宅地、登美ヶ丘住宅地、UR都市機構中登美団地、西登美ヶ丘住宅地、松陽台住宅地、近鉄真弓住宅地、近鉄北大和住宅地、近鉄白庭台住宅地など、多数のニュータウンや団地が広がっています。交通アクセスとしては、JR西日本大和路線（関西本線）の平城山駅、近鉄京都線の高の原駅、近鉄けいはんな線の学研北生駒駅などが周辺に位置しています。その他、元明天皇陵や元正天皇陵といった歴史的な史跡、富雄川（奈良県道7号上村大橋にて交差）なども沿線やその近くにあります。

ならやま大通りは、単なる道路としてだけでなく、沿線の開発と地域の発展を牽引し、人々の生活を支えるインフラストラクチャーとして、この地域の歴史と現在を語る上で欠かせない存在です。

（関連項目：水道道路）

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